クリス・ボッシュ

写真=Getty Images

ヒートでウェイド、レブロンとともに連覇を達成

2月4日、ヒートがクリス・ボッシュの背番号1を永久欠番にすることを発表した。

ボッシュは、アロンゾ・モーニング、ティム・ハーダウェイ、シャキール・オニールに続いて、ヒート史上4人目の永久欠番選手となる。永久欠番式典は、3月26日にホームで行われるマジック戦のハーフタイムに執り行われる予定だ。

血栓症により医師からプレー再開の許可が下りず、現役復帰の道が閉ざされているボッシュは、ヒートの発表後、球団とファンへ感謝を伝える動画をTwitterに投稿。

2010年にラプターズからヒートに移籍し、ドウェイン・ウェイド、レブロン・ジェームズとの『スリーキングス』を結成したボッシュは、2011-12シーズンからの2連覇に貢献。順風満帆のキャリアを送っていた彼を病魔が襲ったのは、その2年後のことだった。2014-15シーズン中に血栓症が発覚すると、シーズン残り試合を全休。治療の効果もあり、2015-16シーズンから復帰を果たしたものの、2年続けてシーズン途中に血栓が見つかってしまい、2016年2月9日のスパーズ戦を最後にプレーしていない。

ボッシュ本人は復帰を熱望し続け、あらゆる方法を模索したが、ヒートからも、医師からもプレー再開の許可は下りなかった。そしてヒートは、2017年7月にボッシュを解雇する苦渋の決断を下した。

事実上の引退状態にあるボッシュは、昨年の夏、2019年2月を目処にキャリアに関する結論を下すことを示唆。「もし来年の2月までに復帰できなかったら、自分だって馬鹿ではない。でも復帰したい。困難を乗り越えようと思って努力しているんだ。目の前の試練を楽しみにしている。まだやれる」と語っていた。

最後にプレーしてから見た目には全く変わらないコンディションを維持し、今も練習を続けていても、医学的見解によれば、血栓を溶かす血液稀釈剤を投与しながら、激しい接触を有するNBAの試合に出場するのは、出血をした場合に止血ができないリスクが伴う。もし3ポイントシュートと守備に秀でるボッシュがプレー可能だったなら、今でも引く手数多だっただろう。

このタイミングでヒートが永久欠番を発表したということは、ボッシュも現役生活に区切りをつける決断を下したのかもしれない。最近になってヒートの試合会場でも姿が見られるようになったボッシュは、チームの練習をサポートしているという。今シーズン終了後に引退するウェイドは、先週、こんなことを語った。

「兄弟のような間柄として、彼を支えたい。彼が経験したことは、想像もできないよ。キャリア全盛期にバスケットボールを取り上げられたのだからね。再び球団との距離を縮めるには、少し時間が必要だったのだと思う。自分ではチームに貢献できることが多々あると思っていて、現代のバスケットボールが自分のスタイルに寄ってきたというのに何もできないのだから、辛くてたまらなかったと思う。彼が以前よりバスケットボールにかかわるようになって、チームの近くにいてくれるのは、うれしいね」

ヒートから功績を称えられるボッシュが何を語るのか、来月の式典を待ちたい。