ジャ・モラント

ディロン・ブルックス「僕らはジャを兄弟として愛している」

グリズリーズのエース、ジャ・モラントは銃に絡んだ問題によりリーグから8試合の出場停止処分を科された。

出場停止期間が終了し、モラントは現地3月22日のロケッツ戦で復帰すると見られている。チームに合流して練習を再開したモラントは取材に応じ、ストレスに対処できるように受講したカウンセリングプログラムについて「精神的に落ち着いて、自分自身を良くするための時間だった。2週間いたけど、完全に治ったとは言えない。まだ継続していかなければないものだ」と説明する。

「僕は悪い意味での注目を集めるようなことをした。僕と家族だけでなくチームやフロントにまで影響を与えてしまってすまなかった。だからこそ、今までより責任感を持って賢く振る舞うようになって、もうこれ以上はコート外のトラブルを引き起こさないようにしたい」

大きすぎるストレスに適切に対処できなかったのが問題の原因だ。モラントは自分の状況に気付いており、カウンセリングを受けることも考えていたが、シーズン中にチームを離れるわけにはいかないと思って結局受けていなかったという。

ロケッツ戦はホームゲームで、メンフィスのファンは彼を受け入れるだろうが、敵地での試合となれば心ないヤジが飛ぶかもしれない。それは彼にとって心地良いものではないし、集中も乱されるだろうが、「僕は自分の行動の責任を取る」と語る。

そんなモラントをチームは支えるつもりだ。ディロン・ブルックスはモラントについて「彼はチームに合流して、僕ら一人ひとりに自分の行動について謝罪した。彼が成長できたのは素晴らしいことだ。明日からは今までとはまた違うジャを見ることができると思う」と言う。

「僕らはジャを兄弟として愛している。この街を地図に載せるのに貢献した一人なんだ。下位をさまよっていたグリズリーズが、NBAで最も注目されるチームの一つになった。彼が僕たちに何かを証明する必要はない。僕らは彼の背中を追い掛けるし、彼もまた僕らの背中を追い掛けるんだ」

ヘッドコーチのテイラー・ジェンキンスはこう語る。「我々の全面的な信頼があることを彼は理解している。ここ数週間で起きたことで、彼との関係が変わることはない。むしろ、我々の関係をより深いものにする、成長の機会なんだ」

モラントはトラブルを引き起こしたSNSも、夜に遊び歩くのも、自粛するようだ。「何かを伝えるために、言葉ではなく行動で示したいと思う。クラブで遊ぶつもりは全くないよ。自分自身の間違いによって大好きなバスケから9試合も遠ざかることになったのは、本当に傷付いたからね」

現地20日、ホームのマーベリックス戦でモラントは私服でベンチからチームを応援した。フェデックス・フォーラムの観客は彼に歓声を送り、チームメートは普段と変わらぬ対応でエースを迎え入れた。

順調なステップアップを続けてきたモラントとグリズリーズにとっては大きな危機だったが、彼らはそれを乗り越えようとしている。指揮官ジェンキンスのいうように「我々の関係をより深いものにする」ことができるか。モラントの復帰戦に注目したい。