「5人全員が連動してオフェンスもディフェンスもできていました」
千葉ジェッツは天皇杯4次ラウンドで名古屋ダイヤモンドドルフィンズと対戦し、攻守ともに圧倒して106-74の完勝を収めた。
ジョン・パトリックヘッドコーチが「ウチは悪い流れだと最初にゆっくり始まる」と語るように、これまでの千葉Jは立ち上がりのパフォーマンスに難を抱えていた。しかし、この試合では富樫勇樹が3本連続で3ポイントシュートを成功させてチームを勢いづかせると、ディフェンスも最初から高い強度を誇った。そして、攻守ともに最後まで集中力を切らさなかったことですべてのクォーターを上回り100点ゲームで快勝した。
第1クォーターに11得点を固め、6本の3ポイントシュートを含む24得点に加えて6アシストを記録した富樫もこの結果に手応えを得ている。「負けたら終わりの試合で素晴らしいゲームができたと思います。特にオフェンス、ディフェンスともに素晴らしい内容で、Bリーグで今までやってきたことが出たかなと」
パトリックヘッドコーチが「勇樹はピック&ロールの読みが上手くて、相手が守りにくい良い判断をしていた」と評していたように、富樫は自ら得点を量産するだけでなく、ズレを作ってオフェンスの起点となるなど、名古屋Dのディフェンスを崩す大きな役割を担っていた。富樫は「そこまで僕のピック&ロールに対して警戒しているようには思わなかったです。ビッグマンが出てきたイメージもないですし、プルアップスリーが打てました」と、自身のプレーを振り返った。
また、この試合ではチームメートのビッグプレーに感情を爆発させるなど、いつも以上に笑顔が見られた。それだけチームの一体感を感じられたのだろう。富樫も「間違いなく今シーズンのベストゲームになった」と言う。「ディフェンスが良い時、60点以下に抑えたことも何試合かありましたが、オフェンスは個々で点を取っている場面がまだあります。でも、今日はチームのパスの流れだったり、自分たちのしたいことができていました。どんな試合も完璧な試合はないですが、5人全員が連動してオフェンスもディフェンスもできていました」
王座奪還を狙う千葉にとって、この快勝は大きな弾みとなった。富樫は「天皇杯はケガの選手を休ませるチームもあったり、リーグ戦を重視しているチームもあるかもしれないですけど、僕たちは一つの大きな大会だと思って臨んでいる」と言い、優勝しか見ていない。これまで積み上げてきたものが形となったことで、千葉Jの王座奪還の可能性が急上昇している。
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