ベン・シモンズ

「大事なのは一歩ずつでも確実に前に進んでいくこと」

ネッツはキングスに今シーズンワーストの153失点を喫して大敗した。カイリー・アービングが出場停止となってから、得点力は落ちた分だけチームディフェンスが改善して、タフに戦えるチームになったはずが、この試合ではキングスにフィールドゴール成功率59.6%、39アシストを許し、積み上げたものを失う形の敗戦となった。

それでも、ネッツにとって数少ない収穫の一つがベン・シモンズの復調だ。ベンチから20分出場して11得点5リバウンド3アシストを記録。フィールドゴール7本中5本を成功させる効率の良さも見せた。ネッツが今後浮上するにおいて、過去3度オールスターに選出された彼の復活は大きな材料となる。

シモンズは「キングスはオフェンスでもディフェンスでも僕らより上だった」と敗戦を受け入れながらも、自分自身の出来について「試合をこなすごとに、少しずつ錆が取れていく感じ。この調子で頑張っていきたい」と語る。

シモンズは開幕から6試合で先発したが、決して調子は良くなかった。それでも膝の痛みで1週間欠場し、指揮官交代を経てベンチスタートに回ってから少しずつ調子を上げている。2桁得点は今シーズン初めて。シモンズは自分の復調を感じながらも、焦らずやっていくことが大事だと言う。

「どこまで調子を取り戻せるのか、どれぐらい時間がかかるのか、僕にとっても初めての経験だから答えは持っていない。だからフラストレーションを感じることもあるけど、大事なのは自分らしくやること。一歩ずつでも確実に前に進んでいくことだ」

何より重要なのは、批判に頭を悩ませることなく、前向きにバスケに取り組むメンタルを取り戻したことだ。このキングス戦を前に取材に応じたシモンズは「僕はバスケを愛しているけど、それを取り巻くいろんなことは正直好きになれない」と語ったが、その後にはこう続けている。

「でもやっぱり僕はゲームが好きだし、練習するのも好きだ。毎日が完璧とはいかないし、誰だって時には気持ちが落ちることもある。でも、それが人生だ。ジェットコースターみたいに激しく上がったり下がったりするけど、良い日だってある。プレッシャーがあるのは当たり前のことであって、多少のプレッシャーは必要だよね。今の僕は日々頑張って、少しずつ良くなっていこうとしているよ」