デニス・シュルーダー

レイカーズの大型契約を蹴るも、昨シーズンは不振に終わる

デニス・シュルーダーのキャリアは本人の思惑通りには進んでいない。2020-21シーズンにレイカーズで結果を残したが、4年8400万ドル(約110億円)のオファーを蹴ってフリーエージェントになった。これはレブロン・ジェームズの下で脇役に甘んじることを受け入れず、自分がエースとして、リーダーとして引っ張っていくチームへ行くためだった。

ところが、他のクラブは彼の自己評価にマッチするようなオファーを出してはくれなかった。良いオファーがなかったことで、セルティックスと単年590万ドル(約8億円)での1年契約を結ぶことに。ここもあくまで『仮の居場所』で、プレーで自分の価値を認めさせて優勝候補のチームへとステップアップをする予定だったが、物事は上手く運ばない。セルティックスではマーカス・スマートの2番手に置かれて本領発揮には至らず。結局、トレードデッドラインに彼が移籍したのは再建中のロケッツだった。

大型契約を蹴ったにもかかわらず、自らの評価を上げられない。シュルーダーとしては自らのキャリアを少しでも早く軌道修正したいところだ。それがレイカーズになるかもしれない。

レイカーズは33勝49敗、プレーイン・トーナメントにも進めなかった屈辱のシーズンからのリベンジを期している。レブロンとの契約延長には漕ぎ着けたものの、ラッセル・ウェストブルックを手放すことも、有効な新戦力の獲得もできずに、『リベンジの準備』としては不十分と言わざるを得ない。

そこで再びレイカーズとシュルーダーが組む、というのは良い解決策となり得る。シュルーダーがボタンを掛け違えた最初は、レブロンとアンソニー・デイビスのチームでは自分が埋没してしまうと決めつけたこと。だが、今のレブロンとデイビスは『第3の男』の手助けを必要としている。シュルーダーが自分の持ち味を発揮しつつレイカーズを浮上させれば、彼は再びエリートとしてのキャリアに戻り、これまで以上にプレーヤーとしての価値を高められるはずだ。

現在のシュルーダーはドイツ代表に参加しているが、NBAの移籍市場は動き続けている。アメリカに戻る時には、ロサンゼルスが再び『我が家』になっているかもしれない。