井上宗一郎

初のフル代表合宿参加となり「日本代表は夢の一つであり、絶対に選ばれたい」

バスケ男子日本代表は、ワールドカップ予選Window3に向けた強化合宿の前に若手選手を対象としたディベロップメントキャンプを実施。そこで指揮官トム・ホーバスの評価を高め、Window3の予備登録メンバー入りを果たした一人が井上宗一郎だ。

201cmと貴重なサイズを持つ井上だが、オフェンスに関しては筑波大時代から積極的に3ポイントシュートを放ってきた。Bリーグにおいてもインカレ終了後にサンロッカーズ渋谷に加わり、20分出場と最もプレータイムが長かった1月26日の京都ハンナリーズ戦では3ポイントシュート7本中3本成功と、持ち味を発揮し11得点をマークしている。

ホーバスは5アウトからポシジョンに関係なくノーマークになったら5人全員が3ポイントシュートを狙っていくスタイルを導入している。学生時代からストレッチ4としてプレーを続けてきた井上にとっては、自身の強みを生かしやすい。そして、代表で居場所をつかむためには、いかに長距離砲を決めていけるかだと強調する。

「自分の武器は3ポイントシュートです。そしてトムさんは会見などでも3ポイントシュートが入る選手を探していると言っており、積極的にアピールしていかないといけない。ピック&ポップ、キャッチアップからのシュートを他の選手よりも高確率で決めていくことがすごく重要で、その点については自分も貢献できるところだと思っています」

最初の頃は戸惑いがあった代表のスタイルだが、今はフィット具合にも手応えを得ている。「過去の試合における自分と同じポジションの谷口(大智)さんや張本(天傑)さんのプレーを見返したりして、『こういうことが自分にもできるかな』という部分は見えてきました。そういうところで徐々に慣れつつ、良いところを出せているかなと思います」

そして、指揮官の信頼を勝ち取っていくために自身の課題をこう続ける。「自分の3ポイントシュートが入る、入らないにかかわらず、チームでクリエイトしたところでシュートをしっかり打ち切らないとダメです。あとはチームのディフェンスはSR渋谷、大学時代にやっていたものとは全然違うので、スタイルにしっかりと溶け込んでチームディフェンスを遂行できるようになるのが課題と思います」

日本人ビッグマンのポジションは、海外組は別格としてそれ以外は確固たるポジションを確立した選手はいない。「自分よりも経験があったり、うまい選手がすごくいっぱいいる中で、圧倒される場面もあったりします」と語る井上だが、代表への強い思いはしっかりと持っている。

「僕にとって日本代表は夢であり、目標の一つで絶対に選ばれたいです」

日本では数少ない学生時代からストレッチ4の動きに磨きをかけていた井上が、自身の持ち味とマッチした代表でどこまで存在感を高められるのか楽しみだ。