「トムさんからたくさんのアドバイスを頂きながら、レベルアップできれば」
福岡第一時代にウインターカップ連覇を成し遂げた河村勇輝は、高校在学中に三遠ネオフェニックスに特別指定選手として加入しBリーグデビューを果たした。東海大に進学後も特別指定選手として横浜ビー・コルセアーズでプレーし、弱冠21歳ながらBリーグのキャリアは来シーズンで4年目を迎える。
そして、今年の春に河村は東海大を中退して、来シーズンからはプロ選手になるという大きな決断をした。河村が以前、「日本を代表するポイントガードになり、2年後のパリ五輪に出場することが僕の目標です」と語ったように、彼が大きな決断を下した理由は、2年後のパリ五輪に出場するためだ。
年齢を重ねるごとに、着実にステップアップしている彼は先日、初めてA代表候補に選出された。今は、7月1日にオーストラリア、3日にチャイニーズ・タイペイと対戦するワールドカップ予選Window3に向けた直前合宿に参加している。
河村は初めてのA代表の合宿を経験し、「まだ半分が過ぎただけですが、すごく充実した時間を過ごせていると思います」と言い、こう続けた。「何よりもA代表という、一番大きなカテゴリーでの練習は、年齢問わず、すべてのレベルが高く、すごく学べるものが多い合宿です」
河村は最年少での選出となったが、1学年上でアメリカの大学でプレーする富永啓生や東海大の先輩である西田優大など、同世代の選手も多い。河村は「富永選手や西田選手であったり、たくさんの同世代の選手と一緒に、このA代表という舞台で練習していて、彼らに負けたくない気持ちはすごくあります」と語りつつも、彼らへのリスペクトも忘れていない。「特に、西田選手はずっとA代表でやってきていて慣れているというか。やはりレベルが一つ上だなと感じているので、本当にそういう意味でも同世代の選手からも学べるものがたくさんあります」
もちろん、所属する横浜とトム・ホーバスが率いる日本代表では、求められるプレーは異なる。河村は「ゲームコントロールの部分でも全く違うバスケットを展開するので、ビーコルの感覚でプレーしてしまうと、それはトムさんとは違った感覚になってしまうとこの合宿で気がつきました。まだまだ代表のバスケット、トムさんのバスケットにもっとシフトしていかなきゃいけない」と改善点を語るが、手応えも得ていると言う。
「自分の特徴であるドライブは、トムさんのバスケットにすごくフィットするなと思っているので、そこはブラさずにやっていきたいです。その中での判断をトムさんは大事にしているので、フィニッシュやキックアウトの部分はまだまだ成長段階にあると思うので、この合宿を通してトムさんからたくさんのアドバイスを頂きながら、レベルアップできればと思います」
日々の練習での学びを大切にし、特別指定選手からプロ選手へ、そしてA代表候補に初選出と着実に目標への階段を上っている河村は「パリ五輪に選ばれるためには、こういった積み重ねがすごく大事だと思います」と力強く語る。
「A代表で練習したり、試合をすることでの慣れも必要になってくると思います。そういった意味で、このWindowはしっかりと選ばれるように、まずは合宿で頑張っていきたいです。本当にこの合宿に選考してもらってステップは踏んでいると思いますけど、ここはまだスタート地点というか。代表合宿から試合の登録メンバーに選ばれてからがスタートだと思っているので、そういった意味ではすごく緊張感を持ってやっていきたいです」