トレイ・ヤング

「幼い頃から今日のような場面を想像していた」

現地4月15日に行われた東カンファレンス第8シードを決めるプレーイン・トーナメント、ホークスvsキャバリアーズの一戦は、トレイ・ヤングが後半だけで挙げた32得点を含む合計38得点の大活躍を見せたホークスが107-101で勝利した。東カンファレンス第8シードを勝ち取ったホークスは、ファーストラウンドで東首位のヒートと対戦する。

ヤングといえば、ニックスと対戦した昨シーズンのプレーオフシリーズでの『悪役』ぶりを思い浮かべるファンも少なくないだろう。敵地でのプレッシャーにも動じずにビッグショットを決め続ける姿は圧巻の一言で、昨シーズンのカンファレンスファイナル進出に貢献した立役者だった。

そのヤングが、2年連続のプレーオフ進出がかかったキャブズとのプレーイン・トーナメントでも勝負強さを発揮した。前半は思うようにシュートが決まらず苦しんだヤングだったが、後半からはコート中央にあるキャブズのロゴからの超ロング3ポイントシュート、ドライブからのフローター、ステップバックシュートなどを次々に成功させて相手のディフェンスを手玉にとった。

100-99のワンポゼッションゲームで迎えた第4クォーター終盤にもフローター、そしてフリースローで着実に点を決め続けたヤングのプレーでホークスの勝利がほぼ確実になると、相手エースに『Fワード』を含む罵声を浴びせ続けたクリーブランドのキャブズファンも静かになった。

試合終了後に観客に向かって「バイバイ」と手を振るジェスチャーを見せたヤングは「中継で聞こえたかは分からないけど、『FU』チャントをしてきたからね」と、試合後のインタビューで微笑んだ。

昨シーズンに続いて敵地での大一番で見せた見事なパフォーマンスについては「幼い頃から想像していた」と笑顔で語った。「コートに父と2人だけでいて、今日のような大きな舞台、プレッシャーがかかる場面を想像していた。だから準備ができているんだよ」

勝ち上がったとはいえ、ホークスはセンターのクリント・カペラがキャブズ戦で右膝を負傷するアクシデントに直面した。前半にキャブズのエバン・モーブリーの全体重が右膝にかかる形で負傷したカペラは、自力で歩けない状態だった。ケガの状態は分かっていないが、ヒートとのシリーズは欠場が濃厚だろう。

ヤングは「(カペラの負傷で)チームの士気も上がったし、彼のためにも勝ちたかった」と答えた。「彼はシーズンを通してハードにプレーしていたし、どれだけプレーオフの試合でプレーしたがっていたかも知っている。すぐに復帰できることを願っているよ。彼のためにも勝たないといけなかった」