指揮官とチームメートはジョージの万能性を称賛
現地3月29日、クリッパーズのホームで行われたジャズ戦でポール・ジョージがコートに戻って来た。ジョージは右肘の内側側副靭帯を断裂し、昨年の12月22日以来のプレーとなったが、その復帰戦で圧巻のパフォーマンスを見せた。
第1クォーターに14点差をつけられたクリッパーズはその後も調子が上がらず、第3クォーター開始約4分にルディ・ゴベアにアリウープを決められ、この試合最大となる25点ものビハインドを背負った。だが、クリッパーズはジョージの活躍でここから盛り返す。ジョージは4本中3本の3ポイントシュートを成功させ、9本ものフリースローを獲得し、このクォーターだけで20得点と爆発。ジョージの3点プレーで締めたクリッパーズはビハインドを12点に縮め、最終クォーターを迎えた。
息を吹き返したクリッパーズはジワジワと点差を縮め、残り3分24秒にアイザイア・ハーテンシュタインの得点でこの試合初のリードを奪った。その後、一進一退の攻防が続いたが、残り1分6秒にジョージのアシストからルーク・ケナードが決勝点となる3ポイントシュートを沈め、そのままジャズの攻撃をシャットアウトし121-115で勝利した。
ジョージは復帰戦での大逆転勝利をこのように振り返った。「単純なことだよ。相手がよりハードにプレーしていたら、僕たちのシュートは決まらず、ディフェンスもリバウンドも上手くいかず、フィフティ・フィフティのボールにも手が届かなくなる。エネルギーと努力が足りないと、こういうことが起こるんだ。でもそれができると、相手チームは前半の僕らのように見える。ゲームは完全に変わって僕らにもチャンスが生まれるんだ」
ジョージはあらためてリーグトップクラスの2ウェイプレーヤーであることを証明した。指揮官のタロン・ルーもジョージの万能性をこのように称した。「彼が今日のように7本とか8本の3ポイントシュートを沈めている時(実際は6本)、我々を打ち負かすことは難しいんだ。また彼は毎試合で相手のベストプレーヤーを守ることにチャレンジしている。彼のそういうところが私は好きなんだ」
チームメートのアミア・コフィーが「彼はとてもスムーズで彼のペースはおかしい。誰にもスピードアップさせないし、あのサイズがあるのに、ボールハンドリングが上手いんだ」とコメントすれば、センターのイビツァ・ズバッツも「彼は最も才能のある選手の一人で、彼ができないことは何もない」と、称賛を惜しまなかった。
気になるケガの様子だが、ジョージは「良い感じで痛みはない」と語った。「僕はいつも何かしらのケガをしながらプレーしてきたから、どれくらいひどい状態なのか、どれくらい時間がかかるのか分からなかった。でもいつかは復帰できるから、みんなを励まし続けてきたんだ」
ジョージの活躍で連敗を5でストップさせたクリッパーズは37勝39敗で西カンファレンス8位に位置している。7位のティンバーウルブズとは6ゲーム差があるため、順位を上げることは厳しいかもしれないが、9位ペリカンズを6ゲーム差で上回っている。ジョージとカワイ・レナードの2大エースを欠きながらもプレーイン・トーナメント進出をほぼ手中に収めたクリッパーズ。ジョージのこのタイミングでの復帰は、チームの勢いを加速させるはずだ。