ホワン・トスカーノ・アンダーソン

ファンも驚愕「彼こそ本当のウォリアーだ」

ウォリアーズはセルティックスとの接戦に競り負け、今シーズン最長の連勝は4でストップした。それでも、このところ絶好調のステフィン・カリーが47得点を記録し、同じく好調のセルティックスとレベルの高い試合を最後まで続けた内容は評価できる。

89-89で迎えた第4クォーター、残り7分でカリーをコートに戻したところからが勝負。ただ、カリーはそこで足を痛めてしまい、プレーは続行できても足を常に気にする状態となった。点差は離れていなくても、ウォリアーズにとっては非常に苦しい状況だが、ここでチームに火をつけたのはホワン・トスカーノ・アンダーソンだった。

タッチラインを割ろうとするルーズボールに飛びついて繋いだボールは、ジョーダン・プールを経てカリーへ。トスカーノはトップスピードで看板を飛び越え、テーブルオフィシャルのPCやタブレットをなぎ倒して、頭からその先へと転落。軽いフェイクを入れたカリーがディープスリーを沈めて103-101と逆転に成功し、ウォリアーズの選手たちは倒れたまま動かないトスカーノへと駆け寄った。

2ウェイ契約選手のトスカーノは、NBAキャリア2年目の27歳。それまではアルゼンチンとメキシコ、ベネズエラでプレーしていた。遅咲きと言うべきか、まだ咲いていないと言うべきか、ウォリアーズがNBAのトップチームではなくなったことでプレーするチャンスを得た選手だ。それでも地元オークランド出身であることに加え、クレバーにそしてハードに戦う姿勢でファンの支持を集めている。

『ESPN』がこの動画を公開すると、ウォリアーズだけでなく他チームのファンも、その闘志を称えてコメントをしている。

「おお、頭から飛び込んでる」
「こういうハッスルは大好きだ!」
「常識を覆すプレーだ。本契約をあげてくれ!」
「全力を尽くす姿は見たいが、ケガするのは見たくないよ」
「彼こそ本当のウォリアーだ」

強烈なダイブの後、起き上がってタオルで頭を抱えながらロッカールームへと下がっていくトスカーノに対し、カリーを始めウォリアーズの選手たちはハイタッチで健闘を称え、またボストンの観客も拍手を送った。ここからチームは再び活性化し、カリーが信じられないシュートを決めて追いすがった。

ジェームズ・ワイズマンとケリー・ウーブレイJr.が戦線離脱してもチームが好調なのは、トスカーノがハッスルプレーでその穴を埋めているからだ。少し前のインタビューで彼は自身の立ち位置についてこう語っている。「2ウェイ契約であることは気にせず、自分のプレーに集中している。このチームでは2ウェイ契約だからって扱いが変わるわけじゃないからね。でも、自分の将来を考えれば、長くこのリーグでプレーしたい。次の目標は2ウェイ契約から抜け出して本契約を結ぶことだ」

その時は近づいている。そう感じさせるハッスルプレーだった。