ケビン・デュラント

ネッツが優勝争いに加わるためのキーマン

12月22日に開幕するNBA2020-21シーズンの目玉の一つは、ネッツに移籍したケビン・デュラントの復帰だ。

2019年のNBAファイナルでアキレス腱断裂の重傷を負ったデュラントは、昨シーズンを全休して治療とリハビリに時間を費やした。新シーズンから復帰予定のデュラントは、カイリー・アービングとともにスティーブ・ナッシュが指揮を執るチームでプレーする。

どういうチームケミストリーが生まれるかはやってみなければ分からないものの、デュラントとアービング以外にも魅力的な選手が揃っているため、ネッツは優勝候補の一角に挙げられている。それでもネッツが優勝争いに加われるかどうかは、やはりデュラントのコンディションにかかっている。新型コロナウイルスの影響で通年より開幕時期が遅いとはいえ、アキレス腱断裂から復帰する1年目ということを考えれば、シーズン開幕から出場時間に制限が設けられる可能性が高い。

デュラントは現役選手の中でもトップクラスのゲームチェンジャーで、ここぞという場面では誰よりも頼りになる。その彼のプレーをウォリアーズ時代に間近で見てきたアンドレ・イグダーラは、早くも2021年のシーズンMVP候補にKDことデュラントを挙げた。『The Match: Champions for Change』に出演したイグダーラは「KDのプレーが楽しみ。シーズン前の段階では、僕の中では彼がMVP候補だ」と語った。

MVP投票で選ばれるためには、個人スタッツも去ることながら、どれだけチームの勝利に貢献できたかが重要なファクターになる。おそらく新シーズンのMVP争いも、2年連続受賞中のヤニス・アデトクンボ、レブロン・ジェームズを中心に展開されるだろう。この2人の競争に割って入るためには、ネッツを東カンファレンス上位に導き、アデトクンボのバックスを上回る成績を残せなければ難しい。

ヘッドコーチにナッシュ、アシスタントコーチにロケッツ前指揮官のマイク・ダントーニが就任したネッツが故障明けのデュラントをどう生かすのかも興味深いが、ようやく戦線復帰を果たすことになり、モチベーションが高いデュラントのパフォーマンスに注目だ。