ベンドラメ礼生

「今日のディフェンスが僕たちのスタンダード」

サンロッカーズ渋谷はシーホース三河との開幕節でまさかの連敗を喫した。それでもディフェンスが機能しきれていない中での惜敗であり、負けてなお強しの印象を植え付けた。さらに言えば、これから浮上を感じさせるそんな内容でもあった。

一般的に勝ち試合よりも負け試合のほうが得るものは多い。特に接戦で勝ち切れなかった時こそ、明確な課題が見つかるものだ。ベンドラメもこの2試合を通じて、自分たちの目指すスタイルを再認識したという。

「初戦は縦に割られないように賢く守った結果、プレッシャーがかかっていなかった。今日は自分たちの持ち味であるプレッシャーをかけた結果、縦に割られました。でも今日のディフェンスが僕たちのスタンダードだと思うので、縦に抜かれないことだったり、周りのヘルプの仕方や位置、そういったところを全体でコミュにケーションを取って確認し、次のステップに進みたい」

SR渋谷はタイムシェアと激しい前線からのディフェンスで昨シーズンに飛躍を遂げた。ベンドラメが言うように、チームは激しいプレッシャーをかけてはいたがドライブで抜かれイージーレイアップを許し、ディフェンスが機能不全に陥った。また、三河のインサイドプレーヤーであるダバンテ・ガードナーにボールを運ばれたこともリズムを作れなかった要因の一つだ。「ガード陣にプレッシャーをかけたいのにビッグマンにボールを運ばれた。ああいうペースを作られると僕たちは弱い」

それでも、開幕の2試合でチームの最も大事にしているスタイルを見つめ直すことができたことはこれ以上ない収穫だ。指揮を執る伊佐勉も「長いシーズン続く中で、チーム全体がやるべきことを確認できたのは良かった」と語る。

そして、ベンドラメも「プレッシャーをかけないと僕たちのバスケットじゃない。すごく難しいことですけど、そこをアグレッシブに行きつつ、行き過ぎないようにする」と、さらなるパワーアップを誓った。

『積極さ』と『慎重さ』。相反するこの2つの言葉を体現する最適解を見つけることができれば、SR渋谷が昨シーズン以上のインパクトを残す可能性は十分にある。