八村塁

ポイントガードの差が露呈、リズムを作れず112-125の完敗

NBAのシーズンが再開し、ウィザーズはその初戦をサンズと戦ったが、112-125の完敗を喫した。

試合を通じて目立ったのは両チームの完成度の差。特にポイントガードが作り出すリズムの違いだった。ウィザーズはシャバズ・ネイピアーとイシュ・スミスがいずれも自らのスピードを生かして速い展開を作り出すが、それがチームとして噛み合わない。ボールだけが前に運ばれて周囲が合わせられず自ら窮屈なオフェンスを作り出してしまう。他の選手がボールをプッシュすれば、サンズのプレッシャーディフェンスを仕掛けられて、自分たちのリズムを作り出せなかった。

一方でサンズはリッキー・ルビオが緩急自在のコントロールを見せる。自らアタックするネイピアーとスミスは2人で29得点を挙げたものの、チームとしての攻めの形を作れず自ら強引にフィニッシュに行くため、2人のフィールドゴールは31本中12本成功と確率が悪く、10アシストの裏では8ターンオーバーを記録している。ルビオは15得点9アシストを記録。ターンオーバーは3つに抑え、パスを散らしてオフェンスを活性化させることで、サンズは常に2桁前後のリードを保ち続けた。

ウィザーズはエースの責任を担う八村塁がファウルトラブルで前半には10分しかプレーできず、特にオフェンスで推進力を欠いた。52-67と大量ビハインドを背負って迎えた第3クォーター、その八村がフル出場で得点でもリバウンドでもチームを支え、セカンドユニットのジェローム・ロビンソンが3ポイントシュート好調で追い上げを見せるも、良い時間帯が長くは続かない。サンズの前から激しく当たるディフェンスに対してミスが出て、勢いに乗れなかった。

八村は開始早々にベースライン沿いのアタックでファウルを誘い、フリースローで初得点。続いてはアタックを警戒して出てこない相手を左右に揺さぶってのジャンプシュート。さらにはゴール下でオフェンスリバウンドを2回奪って押し込むなど力強いプレーを見せたが、その後はファウルトラブルでベンチへ。後半になってリズムを取り戻し、リバウンドを取ってそのままプッシュ、得点まで持ち込むコースト・トゥ・コーストなど光るプレーも飛び出したのだが、第4クォーターに入るとチームのリズムが悪い中に埋没してしまい、なかなかチャンスも巡って来ないままチームは敗色濃厚になってしまった。

八村は出場30分で、21得点8リバウンドといずれもチームトップの数字を記録。フィールドゴールは15本中8本を決めており、確率も悪くはなかった。ボールを運ぶところを狙われてのターンオーバー5つを献上しているが、それ以上に時間帯によって消えてしまうことが課題となっている。ただ、これは八村個人の課題というよりチームの問題。ブラッドリー・ビールが欠場している今、最も得点の期待値が高い八村にいかに良い形でパスを回すか。ここを早期に改善しない限り、残り試合でも苦戦は免れない。

ウィザーズは中1日の休養日を挟んで、ネッツとペイサーズとの連戦を迎える。