カイリーは27得点9アシスト、ガーランドは22得点12アシストを記録
4連勝中と好調のキャバリアーズはネッツと対戦。ケビン・デュラントを膝のケガで欠くネッツに対して、キャバリアーズは優位に試合を進めるも、第3クォーター終盤にカイリー・アービングが3本連続でシュートを決めて88-87と試合をひっくり返された。敵地でのゲームにしか出場できないアービングは今年に入って試合に出るようになり、これが復帰4試合目。試合勘とともに本来のキレを取り戻し、デュラント不在のオフェンスを引っ張っていた。
そこに立ちふさがったのがダリアス・ガーランドだ。カイリーがキャブズを離れた2年後にドラフト指名を受け、司令塔としてチームを引っ張ってきた21歳は、今まさにブレイクの時を迎えている。第3クォーター途中に足を痛めて一度ベンチに下がっていたが、逆転を許した第4クォーターにコートに戻ると、試合はカイリーとガーランドによる『キャブズの新旧ポイントガードの一騎打ち』の様相を呈した。
2人ともチーム全体を動かしながら、1対1のマッチアップを何度か挑んだ。互いに意識していたのは明らかで、ガーランドが巧みなステップでゴール下のシュートを決めれば、カイリーも左右に揺さぶってからのフェイダウェイを決め返す。ケビン・ラブが上手くディフェンスを背負った瞬間にガーランドがパスを送れば、カイリーはドライブからのシュートフェイクで2人を引き付け、ゴール下で完全にフリーになったラマーカス・オルドリッジにアシストを送る。
ガーランドがアシストを連発する中で、ネッツはジェームズ・ハーデンも太ももを痛めて万全ではない中で巧みにファウルを誘って得点を重ね、点差が離れないまま試合は終盤へ。
終盤のミスは致命傷になり得るが、ここでネッツにミスが出た。残り1分、誰が誰をマークするかが定まらず、ガラ空きになったエバン・モーブリーへと簡単なアシストをガーランドが通す。「相手がトランジションでモーブリーを見失った。あれが勝敗の分かれ目だった」と、ガーランドは試合後に振り返った。
カイリーが2人を抜き去るドライブで得点を返したものの、キャブズ3点リードで迎えた残り16秒、ハーデンが攻めきれずにカイリーへと戻すパスが乱れてターンオーバーに。これを拾ったアイザック・オコロのイージーダンクで決着が付いた。このオコロのディフェンスも勝利に大きな意味を持っており、カイリーに何度もやられながらも粘り強くディフェンスし続け、クラッチタイムに得点ペースを落とさせた。
カイリーは38分の出場で27得点9アシスト、ガーランドは36分の出場で22得点12アシストと、どちらも素晴らしいパフォーマンスを見せたが、この試合ではガーランドに軍配が上がった。
ガーランドは「長い遠征の後に自分たちのアリーナに戻って来た試合で、東カンファレンスのトップチームに勝てるなんて最高だ。勝つために必要なガッツを見せられたと思う」と語る。
東カンファレンスの週間最優秀選手に選ばれた日の試合でもあったが彼は「チームメートとコーチが僕にボールを託し、僕に僕らしいプレーをさせてくれるおかげだ」と周囲への感謝を忘れなかった。「いつも僕をサポートしてくれるチームメートに捧げたい。チームメートとスタッフ、ファンに感謝しているよ」