レブロン・ジェームズ

写真=Getty Images

「素晴らしい時を過ごせるよう力を尽くせば、すべて上手く」

2018-19シーズンのNBAで最も注目されるチームの一つは、名門レイカーズに他ならない。レブロン・ジェームズの加入により、大躍進が期待されているからだ。そのレブロンが、9月24日のメディアデーで、伝統の『パープル&ゴールド』のジャージーを着た姿をメディアに初披露した。

「マジック・ジョンソンと言葉を交わした夜は、特別な瞬間だったと確信している」と、移籍の決め手になった球団社長との会話について触れたレブロンは、1年目から優勝を求められている期待を理解しつつ、日々の積み重ねの重要性を説いた。

「自分が期待しているのは日々レベルアップすることで、目標のために努力しないといけない。自分にとってはプロセスが大事なんだ。この道の最後に何があるかは、誰にも分からない。自分がこのチームにもたらせることは、日々の練習で力を尽くすこと。試合への精神的な準備も含めて、プレーへの準備。それ以外のことは後からついてくる」

今シーズンのポイントは、若い選手が多いレイカーズを、レブロンがどう引っ張り、成長させていくのかに尽きる。『ヤングコア』と呼ばれるブランドン・イングラム、ロンゾ・ボール、カイル・クーズマ、ジョシュ・ハートとのプレーについて、レブロンはこう語る。

「自分は、常に何かを学ぶプロセスにいると思っている。キャリアの何年目かにかかわらず、僕はいつだって学習したい。チームメート、コーチから何かを吸収したい。全員がチームに何をもたらすことができるかを見るのが楽しみ。チームのプレーを高めるために、コート内外、それから精神的な部分も含めて、どういうアイディアを出せるか楽しみ」

周囲は優勝を期待するが、それは決して簡単ではない。レブロンは「優勝だけが成功を意味するとは考えていない」と慎重だ。

「王者になれるのは1チームだけ。でも、優勝を逃したから失敗、というわけではない。シーズン中は勝つ試合も負ける試合もある。自分にコントロールできるのは、日々レベルアップするための準備だ。レイカーズは新しいチームだ。困難に直面するだろうし、良い時も悪い時も出てくる。それが新チームで起こること。それでも、プロセスを経て、お互いのためにプレーすることを続けて、素晴らしい時を過ごせるよう力を尽くせば、すべて上手くいくはずだ」

レブロンはこう言うものの、王者ウォリアーズとの戦いは今シーズンの目玉の一つ。12月25日に行なわれる恒例の『クリスマス・ゲーム』として組まれた試合を含め、今シーズンはレギュラーシーズンで4度の対戦がある。優勝するには必ずプレーオフでウォリアーズを倒さないといけないのだが、レブロンは、順を追ってチームの力を高めることが重要と、繰り返し語った。

「ウォリアーズの域に達するには、やることが多い。彼らなら、すぐにでも昨シーズンを終えた段階に戻ることができる。それに対して、僕たちは最初からチームを作り上げないといけないんだ。時間はかかるよ。ゴールデンステイトのことを心配なんてしていられない。彼らは彼らだ。僕たちにはレイカーズとして力を積み上げる方法に集中して取り組むことしかできない。ここ数年ずっと優勝を狙えるレべルにあるゴールデンステイトのようなポジションにつければ良いね」

レブロン加入後に球団社長のマジックも語っていたように、昨シーズンから面子を大幅に変えたレイカーズは、レギュラーシーズン序盤に『産みの苦しみ』を味わう可能性が高い。レブロンがキャバリアーズからヒートに移籍した1年目の2010-11シーズンも、シーズン序盤は歯車が噛み合わなかった。その経験を踏まえ、レブロンは目の前のことに集中しようとしているのだろう。トレーニングキャンプ、プレシーズンを経て、どういうチームに変わっていくのか。レブロンが言うように、日々のプロセスによる変化に注目したい。