「彼はコートに出ている全員のプレーを簡単にしてくれる」
新型コロナウイルスのワクチンを接種しないネッツのカイリー・アービングはニューヨーク市のルールによりホームゲーム全試合に出場できず、球団はアウェーゲームにだけ出場させるのではなく、チームから外す決断を下した。しかし、健康安全プロトコル入りする選手が続出する状況を受け、球団は残った選手の負担を減らすべくアービングを呼び戻し、アービングは先日のペイサーズ戦でシーズンデビューを飾った。
序盤こそシュートタッチに苦しんだものの、後半にペースを上げたアービングは試合終盤の大事な場面で得点を量産し、22得点を記録。あらためて自身がオールスターレベルであることを証明した。
チームメートのケビン・デュラントは「彼のゲームは美しい」と語り、アービングの復帰を歓迎した。「彼はコートに出ている全員のプレーを簡単にしてくれる。ロッカールームに彼がいなくて、彼のエネルギーやバイブスがなくて、僕は寂しかったよ。彼が再びコートに立ったのを見るのは、本当に素晴らしいことだ」
結果的に19点差を逆転する最高の復帰戦となったが、デュラントはアービングが復帰する前に多くのメッセージを伝えていたという。「彼がどれほど重要な存在なのか、僕がどれほど彼と一緒にプレーしたいのかを伝えたんだ。ただ、僕がやることではないからワクチン接種を強制したりはしていない。彼との話し合いの中でチームの一員になってほしいと伝えたし、フルタイムで参加してほしいということも話した。彼次第だけどね」
ワクチンを接種するか、ニューヨーク市のルールが緩和されない限り、アービングは今後もホームゲームに出場することはできず、アウェーゲームのみの出場となる。チームケミストリーを構築するには同じ時間プレーすることが必要だが、ネッツは異なるロスターでシーズンを戦っていく難しさにこれから直面する。『ビッグ3』の一員であるジェームズ・ハーデンもそのことを懸念している。
「慣れるまでは時間がかかるだろうね。だって僕たちは彼がいるロードゲームと彼がいないホームゲームに慣れなければいけないのだから。できれば彼がホームゲームとアウェーゲームの全試合に出場できるようになってほしい。僕たちはその日が来るまでにプッシュし続け、解決方法を見つけ出すだけだ」
あらためて『ビッグ3』が揃った時の破壊力を見せつけたネッツ。アービングの復帰はデュラントとハーデンの負担を軽減させるだけじゃなく、チームのモチベーションアップにも繋がるはず。アービングが出場しない時もコンスタントに勝ち星を伸ばせることができれば、NBA制覇の可能性は高まる。