フランツ・バグナー

「毎日たくさんの人に支えてもらっているから、恩返しできて良かった」

マジックのフランツ・バグナーは、サンダーのジョシュ・ギディーとともにNBAの12月の月間最優秀新人選手に選ばれた。

ワグナーは開幕からここまで38試合すべてに先発出場し、32.4分のプレータイムを得て15.9得点、4.6リバウンド、2.7アシストと堂々の数字を残している。昨年のNBAドラフトで全体8位指名を受けてマジックに加入すると、サマーリーグ、プレシーズンと目立った活躍を続け、レギュラーシーズンが始まっても尻上がりに調子を上げており、12月には平均19.5得点、5.1リバウンド、3.1アシストをマークし、3ポイントシュート成功率も40%を超えた。

チームは7勝31敗でリーグ最下位と結果に結び付いてはいないが、再建中のチームにとっては目先の成績よりも、今後長くチームを支えるタレントが出てきた方が良い。全体5位指名のジェイレン・サッグスが指を骨折するケガで長期離脱となったのは計算外だったが、バグナーはもともと高かった期待をさらに上回る成長ぶりを見せている。

ケガや健康安全プロトコルで欠場する選手が多い中、12月のバグナーには今まで以上のプレーが求められた。もともと多彩なスキルを持つシューターと認識されていたが、最近ではハンドラーの仕事も任され、ドライブでフィニッシュまで持っていくプレーも増えた。それでも彼は「多くの仕事を任されるのは良いことだ。僕が結果を出すことは、毎日一緒に練習しているコーチたちが結果を出したとも言える。評価されてうれしいし、これからはもっと多くの仕事をやっていくつもりだ」と語る。

マジックを率いるジャマール・モズリーは、「彼の仕事ぶり、毎日バスケに向き合うプロ意識は大したものだ。試合で結果を出せるのは、練習場での日々の努力があるからだ。得点だけでなく、大事な場面で正しいプレーができる遂行能力もある」と彼を評する。

それはバグナーによれば、マジックのチーム力の賜物だ。「今朝、たくさんの人が僕にメールを送ってくれた。みんな本当に喜んでくれていて、僕もうれしかった。毎日たくさんの人に支えてもらっているから、恩返しできて良かった。このチームは雰囲気が良い。チームの誰もが、それぞれの成功を本当に喜んでいる。このケミストリーはずっと続くと思うし、長い目で見てチームが成長する大きな力になるはずだ」

「毎日の練習をプロとして一生懸命やろうと心掛けているし、できる限り映像を見てプレーを良くしようとしている。その成果が試合でも出ていると思うから、このまま続けていきたい」

ルーキーは勢いはあっても安定感を欠くことが多く、月間最優秀新人選手を受賞したからといって今後の活躍が約束されたわけではない。それでもバグナーがこのひたむきさで日々の練習と試合に向き合う限り、この勢いはまだまだ続きそうだ。