ベン・シモンズ

写真=Getty Images

「練習したことがないんだから、できなくて当たり前」

昨シーズンの新人王に輝いたセブンティシクサーズのベン・シモンズは、『弱点』に挙げられたジャンプシュートの改善に向け、オフの間トレーニングを続けてきた。そのシモンズは、9月21日に行なわれたメディアデーの取材で、ジャンプシュートを苦手とする驚きの理由を告白した。

『NBA TV』の取材で、なんとシモンズは「今までシュートは必要じゃなかった」と語った。

「今までちゃんとした指導を受けたことがなくて、ジャンプシュートは自分にとって新しいことなんだ。『シュートを決められない』と言われるけれど、練習したことがないんだからできなくて当たり前。シュートの特訓をしたのは、今年のオフが初めてだ」

シモンズの得点パターンは、ドライブからのレイアップ、ダンクが圧倒的に多く、ジャンプシュートは彼にとって『アキレス腱』と言われている。だが本人は、そうした批判を意に介していない。それどころか「時間はかかる」と、平然と言ってのけた。

「僕は飲み込みが早い方だけど、時間はかかってしまうだろうね。コートに出て、すぐに3ポイントシュートを決められるようになんてならない。それは自分のプレーじゃないからね。ただ、ミッドレンジ、エルボーからのシュート、3ポイントシュートは打っていく。すべてのシュートは決められないけれど、大事なのは打つこと。そういうメンタルを持つことの方が大事だから」

1年目に平均トリプル・ダブルに近いスタッツ(15.8得点、8.1リバウンド、8.2アシスト)を残したシモンズ。その彼がジャンプシュートの技術を会得すれば、まさに『アンストッパブル』な選手になれる。しばらくは従来のスタイルでのプレーを続けながら練習に励み、実戦でも積極的に試して自分のものにしていくつもりなのだろう。

苦手な部分を素直に「できない」と言ってしまうところからも、大物ぶりがうかがえる。この男、やはりただ者ではない。