横山智那美

堀内「レベルの違いを感じさせられました」

桜花学園(愛知)は京都精華学園(京都)との死闘を61-57で制し、ウインターカップ3連覇を達成した。

京都精華には188cmの高さを誇る2人の留学生プレーヤーが存在し、どの試合でも高さのアドバンテージを生かして決勝まで勝ち上がってきた。「ポイントガードからのハイパスをどの試合でもやっていた。そこでの留学生の得点が一番多かったので、この試合ではその点数をやらせないことが鍵になると思っていました」と桜花の横山智那美が語ったように、結果的に2人合わせて16得点に封じたことが勝因となった。

もちろん、最後まで身体を張り続けた朝比奈あずさの貢献は見逃せない。ただ、それだけなく、ボールが入る前に簡単にパスを入れさせなかった横山のディフェンスもこの結果に大きく関係していた。基本的にエースキラーを担う横山だが、この試合ではポイントガードの堀内桜花をマークした。横山は言う。「自分たちが点数を取っても、相手を抑えないと意味がないです。ポイントガードが攻撃の起点になっていたので、守備でも自分がチームの流れを変えようと思っていました」

マークについた堀内は1年生離れした強心臓の持ち主であり、京都精華の司令塔として堂々とプレーしていた。アシスト王(平均5.2アシスト)の彼女を自由にプレーさせなかったことが、勝敗を左右するもう一つの要因となった。4点差で迎えた最終クォーター残り15秒、横山のタフなディフェンスが堀内のパスミスを誘い、雌雄が決した。

堀内は「バスケはミスが多いほうが負けるし、少ないほうが勝つと思うので、自分はガードとして何もできひんかった。自分のせいで負けてしまった」と最後のターンオーバーを悔やみ、泣き崩れた。

熾烈なマッチアップを演じた2人は、ミニバスの頃からずっと対戦してきたライバルだという。横山が「堀内さんとはミニバスから対戦してきて、中学でもマッチアップしていて、だいたいやってくることは分かっていた」と語れば、堀内も「大阪の時から知ってて、試合で何回もマッチアップしていて、その時からずっとヤバイと思っていました」と言う。

また、堀内が「横山さんは最後に決め切って、自分はパスミスをして終わってしまった。レベルの違いを感じさせられました」と語ったように、横山は残り19秒に試合を決定付けるフローターを決めた。横山は「全部が良かったわけじゃないけど、相手が嫌がるようなことはできたと思います。絶対に負けたくなかったので、今回は勝てたんじゃないかな」と、1年先輩の貫禄を見せた。

横山は平均16.8得点、3.0アシスト、7.2リバウンド、4.2スティールを記録し、当然のように大会ベストファイブに選出された。堀内はこの高い壁を乗り越えることが2022年の目標となる。2人の珠玉のマッチアップを来年も見たい。