ジェームズ・ハーデン

「復帰したからにはここからペースを上げていきたい」

現地12月25日に行われたレイカーズとネッツの試合はともに欠場者が多く、期待されていたクリスマスゲームとはならなかった。それでも大きな注目を集める試合、しかもホームとあってレイカーズは普段にはない粘りを見せ、チームケミストリーが発揮できない状況でもレブロン・ジェームズがアイソレーション連発でオフェンスに火をつけ、離されても離されても食らい付いた。

ネッツも主力の多くを欠き、3試合が延期になった後で万全にはほど遠い。レブロンの決死のプレーに飲み込まれてもおかしくなかった。それでも競り勝てたのは、ジェームズ・ハーデンの活躍があったからだ。健康安全プロトコルから外れて半月ぶりの出場、調整もままならないまま迎えた復帰戦だったが、ケビン・デュラント不在のオフェンスを引っ張り36得点10リバウンド10アシストのトリプル・ダブルを記録。ネッツもケビン・デュラントを始め主力の欠場が続く中、ハーデンの個人技がモノを言って勝利をもぎ取った。

ハーデンは「勝つためには何でもやるつもりだった。それがコーチの方針だしね。心身の両面で、試合のほとんどで良いプレーができた」と語り、こう続けた。「シーズンの真っ最中に家に座り、何もすることが許されない。ゲームをやって、シリーズもののドラマを見まくったけど、正直これはキツかった。ようやくバスケができるようになり、コートに戻って来ることができて良かったよ。復帰したからにはここからペースを上げていきたい」

驚異的な粘りを見せるレイカーズを振り切ったのは第4クォーター残り40秒、同点の場面で飛び出した、ハーデンのアシストによるニコラス・クラクストンの豪快なアリウープだった。ロールしてリムに飛び込むクラクストンの動きを察知したレブロンが止めに来たが、ハーデンのパスはクラクストンの手が届くギリギリの高さでレブロンには止められず、結果としてバスケット・カウントになった。

「あそこでニック(クラクストン)にパスを出す場合、高いところに出すべきなのは分かっていたよ。彼ならあのパスに届いて決めてくれる、その確信はあった」とハーデンは言う。「ああいうプレーを続けていきたい。あんなシュートを何度も決めれば、自信は高まっていく。そうやって一人ひとりが自信を持ってコートに立てば、どこが相手でも負けないチームになる」

「ニックで言えば、ボーナススローを決めてくれたのが良かった。あれで、あと1回のディフェンスを成功させれば良くなったからね」とハーデンは言う。なおもあきらめないレイカーズの攻めは、当たり前のようにレブロンの単独突破。それでもネッツはチーム一丸のディフェンスでこれを阻み、レブロンからボールを手放させる。最後はラッセル・ウェストブルックがダンクを狙ったが、焦った彼はボールをリムにぶつけて失敗。こうして『あと1回のディフェンス』を成功させた後、ハーデンが余裕十分のアタックでフリースローを獲得。勝利を決定付けた。

「LAでレイカーズに勝つことは特別だよ。僕たちのパフォーマンスは良くなっている、そんな自信になった。僕自身も映像をチェックして、もっと良いプレーをしたい」

現地27日には同じくロサンゼルスでのクリッパーズ戦があり、その次のシクサーズとのホームゲームからデュラントが復帰するとの情報がある。そして1、2週間後には、出場が認められるアリーナ限定となるがカイリー・アービングも戻って来るようだ。メンバーが揃わないのは今のNBAではどのチームでも経験していること。ネッツはそれでも大崩れせず、22勝9敗で東カンファレンスの首位をキープしている。ここから『ビッグ3』が揃い、彼らを中心にケミストリーを高めることができれば、先行きは明るい。