ビクター・オラディポ

写真=Getty Images

東の3強に待ったをかけるダークホース的存在

昨シーズンの東カンファレンスで、『サプライズチーム』となったペイサーズ。そのチームを引っ張り、リーダーとして覚醒した選手こそ、ビクター・オラディポだった。

ポール・ジョージとのトレードでサンダーからペイサーズに移籍したオラディポは、インディアナ大学出身で、学生時代を過ごした第二のホームタウンに思い入れを持っていた。指揮官ネイト・マクミランが採用したアップテンポなシステムにも合致し、キャリアハイとなる平均23.1得点、5.2リバウンド、4.3アシスト、フィールドゴール成功率47.7%、3ポイントシュート成功率37.1%を記録。シーズンを通じて最も成長した選手に贈られる、MIP賞に輝いた。

このオフ、ペイサーズは特に注目を集めたわけではなかったが、ポイントガードからスモールフォワードまでこなせるタイリーク・エバンス、チーム・ファーストの姿勢を持つビッグマンのカイル・オクイン、シューターとして一定の評価を得ているダグ・マクダーモットを獲得し、穴のないチームを作った。また、4年目のマイルズ・ターナーもヨガによる効果で心身ともに過去最高の状態に仕上がった。もしターナーが期待通りの活躍を見せられれば、2シーズン続けてペイサーズからMIP賞受賞者が現れる可能性もある。

このチームをエースとして牽引するオラディポは、『The Athletic』とのインタビューで「自分は今もハングリーなまま」と語った。「去年チームに来た時よりも飢えている。偉大な選手になりたい。ペイサーとしてのキャリアを始めた時から言っていることだけれど、最も偉大な選手の一人になりたい。どんなことだって、自分に課せられることならベストを尽くしてチームの勝利に貢献したい。それが自分の目標だ」

昨シーズンは48勝34敗で東の5位だったが、ペイサーズはトップ3を狙えるだけの力を持っている。レブロン・ジェームズが西カンファレンスのレイカーズに移籍した影響もあり、東もラプターズ、セルティックス、セブンティシクサーズらによる群雄割拠の時代に突入した。オラディポがさらに進化すれば、ペイサーズはダークホースとしてプレーオフで上位シードを破り、東の優勝争いを活性化させるに違いない。