福岡大学附属大濠

タイムシェアを行い15人全員がセンターコートに立つ

ウインターカップ5日目。開志国際(新潟)や中部大学第一(愛知)といった強豪校を破って勝ち進んできた福岡大学附属大濠(福岡)が、正智深谷(埼玉)と準々決勝で対戦した。

ゲームの立ち上がり、大濠は鋭いボールムーブから湧川颯斗のバスケット・カウントに泉登翔の3ポイントシュートなどで、8-0と先制パンチを見舞う。しかし、その直後に正智深谷の関河虎南に立て続けに3ポイントシュートを許し追い上げられるが、泉が開始4分間で3ポイントシュートを3本成功させたこともあり大濠がリードを広げた。

その後の大濠は、湧川と川島悠翔はコートに残しつつも岩下准平をベンチに下げるタイムシェアを行う。森岡裕貴がリバウンドにブロックショット、そしてバスケット・カウントを奪うなど、ベンチメンバーが奮闘する。前半だけで正智深谷の関河に18得点を許したが、リバウンドを29-13と圧倒したことでリードを保ち49-37で前半を終えた。

後半になると、大濠が堅守速攻で正智深谷を突き放した。スティールやリバウンドからロングパス一本で速攻を作り出し、後半の開始5分間を21-2と圧倒した。この後も大濠はタイムシェアをしつつも堅守速攻を貫くことで、96-53で勝利した。

大濠はロスターの15名全員がコートに立った。片峯聡太コーチは「タイムシェアをするとターンオーバーやディフェンスのコミュニケーションミスが出るのは覚悟していました。それよりも、プレータイムをコントロールしながら岩下や川島、湧川、そして昨日も長かった泉を少しでも休ませることの方が得かなと考えてやりました」と振り返った。

泉登翔

「控えの3年生たちがコミュニケーションを取って、覇気を出してやってくれた」

3ポイントシュート4本成功を含む18得点4リバウンドでチームを牽引した泉は「相手の4番(関河)の3ポイントシュートが前半に当たってきて、自分たちは波に乗り切れないところがあったけど、そこを修正して後半はディフェンスからのブレイクができて良かったです」と振り返った。

そして泉は、波に乗り切れなかった時間帯を耐えられた要因に「最初の貯金があったこともありますが、控えの3年生たちが、しっかりしゃべってコミュニケーションを取って、覇気を出してやってくれたので繋げました」とベンチメンバーの活躍を称えた。

大濠は準決勝で金沢(石川)vs仙台大学附属明成(宮城)の勝者と対戦する。泉は対戦相手がどこであろうと「相手のストロングポイントの選手に対するディフェンスでしっかりハードにやらないと、自分たちの展開にはならないと思う」と意気込んだ。「相手の抑えるべきところをしっかり抑えて、今年一年間ずっとやってきたディフェンスからのブレイクをしっかり出して、明日も自分たちでやりきりたいです」