得点が停滞する時間帯もディフェンスの強度は落とさずに耐え続ける
ウインターカップ1日目。昨年大会の準優勝チームである東京成徳大学(東京)が初戦で初出場の四日市メリノール学院(三重)と対戦した。
立ち上がりはともに得点が伸びず重い展開となったが、成徳がディフェンスからリズムをつかんだ。高い位置からメリノールにプレッシャーをかけることで連続でターンオーバーを誘発しては、全員が前へと走るバスケットで得点へ繋ぐ。ハーフコートではシュートがなかなか決まらなかったが、第1クォーターだけでリバウンドを17-8と圧倒したように、セカンドチャンスをモノにしてリードを奪った。
22-12と成徳リードで迎えた第2クォーター。成徳はメンバーの半分を入れ替えたことで得点が停滞した。オフェンスが上手くいかず我慢の時間が続いたが、激しいディフェンスを貫くことでメリノールに主導権を渡さない。第2クォーターの中盤には7点差にまで詰められたが、コートに戻ってきたキャプテンの佐坂光咲が連続3ポイントシュートを沈めて、再びリードを2桁に戻した。その後も2桁のリードを維持して、最終スコア70-48で勝利し、2回戦へと駒を進めた。
成徳の大黒柱、古谷早紀は35分の出場で24得点19リバウンド2ブロックと攻守に活躍してチームを牽引した。第2クォーターでメンバーが入れ替わった時も古谷はコートに残り、ディフェンスやリバウンドでチームを支え続けた。
昨年大会も経験している古谷は「自分は去年も経験していますが、東京体育館という大きい会場での試合は初めての後輩や同級生もいたので、入りが重くなってしまいました」と振り返った。「シュートが入らない時間帯もあったけど、その時も成徳の持ち味であるディフェンスを頑張って我慢することで、後半から点数が取れたので、この試合はディフェンスが良くて勝つことができたと思います」
古谷が言うように、オフェンスが苦しい時間帯もディフェンスの強度を下げなかったことで成徳はリズムをつかんだ。しかし、明日以降の試合では、それでは勝てないと古谷は言う。「今日は重くなってしまう時間帯がありましたが、明日からはそういう時間帯があると勝っていけないと思います。そこの重くなるところのオフェンス面でも修正して明日の試合に挑みたいです」
反省点は多々あるものの、無事に初戦を突破し「安心している気持ちが一番大きいです」と古谷は語った。「去年は準優勝で終わって、今年はインターハイも逃してしまって苦しい時期が続いたので、今日の初戦を勝ち切れた部分ではホッとしている気持ちが大きいです。ただ、それでは明日以降の試合は大変になってくると思うので、絶対に倒して決勝の舞台にもう一回立つ気持ちで明日からも一生懸命頑張ります」
一方、メリノールは初戦敗退となったものの、初出場ながら第3クォーターまでは昨年の準優勝校に10点前後の点差で食らいついたのは見事だった。また、ポイントガードの志摩香奈は1年生ながら18得点5リバウンドを記録するなど、今後が楽しみなチームだ。