アイザイア・トーマスの復活劇も、払拭できない重苦しい雰囲気
今シーズン2度目の3連勝を記録し、ようやく噛み合ってきたかに思えたレイカーズだが、現地12月17日のティンバーウルブズ戦では92-110の完敗を喫した。健康安全プロトコルで複数の選手を欠きはしたが、レブロン・ジェームズとアンソニー・デイビス、ラッセル・ウェストブルックの3人が揃い踏み。一方のウルブズは得点源のアンソニー・エドワーズを欠いていたにもかかわらず、試合を通じて主導権を握られ、終盤の5分以上を残してレブロンなど主力を下げて降参する屈辱の敗戦となり、3連勝による盛り上がりは雲散霧消となってしまった。
さらに悪いことに、アンソニー・デイビスがアクシデントに見舞われた。第3クォーター途中、レブロンのオフェンスファウルを受けてジェイデン・マクダニエルズが倒れ込んだ先に、デイビスの膝があった。転倒するマクダニエルズに巻き込まれる形で膝にダメージを受けたデイビスは痛みで悶絶し、自分の足でロッカールームに戻ろうとしたものの、それもままならなかった。
この日、10日間契約が発表されたアイザイア・トーマスがデビュー戦でベンチからチームハイの19得点を記録。かつての『ボストンの王』は、長いリハビリと契約のない期間を乗り越えていきなり結果を残し、「一番うれしかったのはコートに立てたこと。対戦相手のファンも僕に拍手を送ってくれた」と喜びを語る。
そんなトーマスの復活も、レイカーズの重苦しい雰囲気を払拭するには至らない。トーマスは19得点を記録したものの出場した時間帯の得失点差は-1で、小さな彼は相手オフェンスの標的となった。そもそも、他の選手がブランクがあってベンチから22分間しかプレーしなかったトーマスより得点を奪えなかったことも、レイカーズの状況の悪さを表している。オフェンスを引っ張るべきウェストブルックが積極性を出せず14得点、レブロンも18得点と平凡な出来に終わった。
指揮官のフランク・ボーゲルは「AD(デイビス)ほどの選手が抜ける影響は大きい」と、主力選手のケガでチームの士気が落ちてしまったと語る。「仲間がケガで苦しむのを見るのは嫌なものだ。だが、ウチは勝つために十分な力があるはず。だから負ける言い訳にしてはいけない」
ウェストブルックはデイビスのケガについて「軽傷で済むことを祈るしかない」と語ったが、その祈りは通じなかった。検査の結果は左膝の捻挫で、4週間後に再検査を受ける。少なくとも1月下旬までは戦線離脱となった。
ウルブズ戦でのデイビスは、ケガをするまでも本調子からはほど遠かった。それでも彼が攻守両面で欠かせない存在であることは間違いない。いずれ復帰しても、コンディションやケミストリーの問題は出てくるだろう。デイビスの戦線離脱は、レイカーズに暗い影を落とすことになった。