ニコラ・ブーチェビッチ

「これほどのスランプは初めてだ」

ブルズは開幕から勝ち星を積み重ね、シーズン序盤戦のサプライズチームの一つとなっている。だが、デマー・デローザンが健康安全プロトコル入りし、さらにはアレックス・カルーソが右ハムストリングの負傷で離脱したこともあり、その勢いに陰りが見えてきた。そして、追い打ちをかけるようにエースのザック・ラビーンまでもが健康安全プロトコル入りすることになり、シーズン3度目の連敗を喫した。

主力の多くが出場できない今、最も期待されるのはニコラ・ブーチェビッチだ。リーグトップクラスの『ストレッチ5』とし、てマジック時代には平均20得点10リバウンド以上を記録し、オールスターにも選出されている。今シーズンのブーチェビッチは平均15.2得点10.5リバウンド3.6アシストと、悪くない数字を残しているが、フィールドゴール成功率はキャリアワーストとなる40.4%に留まっており、「自分の仕事ができていない」と本人もチームへの貢献度が低いと認識している。

「なぜなら、チームの勝利に貢献したいと思っているのに今はそれができていない。だからこそ自分に失望するし、悔しいんだ。早く解決しないといけない」

もちろん、敗戦のすべての原因がブーチェビッチにあるわけではない。それでも、期待に応えられていない現状に不甲斐なさを感じているブーチェビッチは、多くの責任を感じ自分を責める。

「僕のプレーが良くなくても勝った試合はあるから、それほど大きな問題にはならなかった。でも良いプレーができずに負けてしまうと、責任を感じる。これほどのスランプは初めてだ。自分で解決するしか方法はない」

ブルズは次戦、リーグ最下位に沈むピストンズと対戦する。ここでブーチェビッチがスランプを脱出する活躍を見せ、チームを勝利に導くことができれば、今シーズン初の3連敗を避けること以上に意味のある試合となる。