湧川颯斗

福岡大学附属大濠はライバルの福岡第一にインターハイ予選で勝利したが、ウインターカップ予選決勝では60-69と完敗を喫した。ウインターカップの本大会でその雪辱を果たし、さらに頂点を目指すには、ともに190cmを超えるビッグマンでありながら広いシュートレンジを持つ湧川颯斗と川島悠翔の活躍が必要だ。片峯聡太コーチも下級生のステップアップを求めており、2人がこの短期間にどこまで成長できるかが、チームの命運を握る。

湧川「練習中からチームを勝たせる意識を持ってやっています」

──ウインターカップの県予選では、決勝で福岡第一に敗れました。この結果をどのようにとらえていますか?

湧川 インターハイ予選の決勝で勝っていたので、試合に臨む気持ちとしては良い意味で余裕があったと思います。でもその気持ちがプレスで来られた時の球際などに出てしまったので反省しました。先生にも言われましたが、試合に臨むメンタルや試合への準備が毎日の練習からできていなかったと学びました。

川島 すごい悔しかったです。以前よりもチームの動きが分かるようになってきたので、ディフェンスは上手くいっていたと思います。でも自分の攻める気持ちが足りなくて、得点もあまり取れずに終わってしまいました。

──片峯コーチは下級生のステップアップを重要視していました。湧川選手が2年生で川島選手が1年生ですが、これまでの成長とウインターカップまでの成長について聞かせて下さい。

湧川 1年生の時は先輩に頼っていて、ミスをすると落ち込んだりしていましたが、2年生になって先生からエースと言われたこともあり、自分が悪い時にどうあるべきかを考えられるようになりました。最後にチームを勝たせるのがエースだと言われ続けて、インターハイの時点では自分がエースになり切れていないと感じていましたが、今は練習中からチームを勝たせる意識を持ってやっています。ディフェンスリバウンドを取ってからのボールプッシュや、どんなディフェンスであっても目の前の相手に1on1を仕掛けてアシストをしたり、自分で良い方向に持っていく、自分らしいプレーができるようなってきたと思います。

川島 第一との試合では留学生がいる中でもレイアップに行けたり、1対1を仕掛けることができたのはプラスで、今後も留学生とやる機会があっても強気で行けると思います。下を狙われることも多いので、小さい選手とやる時はドリブルじゃなくパスを使ったり、ミスマッチをちゃんと突けるように考えてプレーしていかないといけないと感じました。身体でボールを守るようにドリブルをすればボールも取られづらいと思うので、そこはもっと練習していきたいです。

──先輩の湧川選手から見た川島選手の印象はどうですか?

湧川 僕が中3の時に悠翔が飛び級でU15に選ばれた時から知っていますが、以前よりもプレーの幅が広がったなと思います。悠翔が今後アメリカに行くかどうかは分からないですけど、もし行かずに一緒にできたら、同じポジションでお互いに成長できるし、切磋琢磨し合えるプレーヤーだと思いますね。

──アメリカの話が出ましたが、川島選手は練習の初めに英語のレッスンを受けていました。

川島 将来は海外でプレーしたいと思っているので、言語面でつまずかないように今のうちから勉強しています。NBAが最大の目標ですが、海外に行ってプレーすることが目標です。

川島悠翔

川島「ウインターカップでは何回かダンクが見られると思う」

──それぞれウインターカップにはどんなイメージがありますか?

川島 ウインターカップは日本でもすごく注目されている大会だと思います。個人的には横地(聖真)さんや木林(優)さんの代の、2019年の福岡同士の決勝戦が印象に残っています。いろんな人が見ているとかを考えずに、しっかり自分のプレーを貫いて日本一を取れるように頑張りたいです。

湧川 去年の東山戦に負けてメインコートに立てなかったことが一番悔しい思い出として残っています。去年の3年生の思いを背負って、今年のウインターカップは必ずメインコートに立って、一戦一戦目の前の相手を倒して日本一を取りたいです。

──対戦したい選手なども含め、あらためてウインターカップへの意気込みをお願いします。

川島 チームとしてはもう一度、第一さんとやってリベンジしたいと思っています。個人的にはU19の世界選手権で一緒だった山﨑一渉さんだったり菅野ブルースさんがいる明成さんとやってみたいです。ダンクをすることでチームも盛り上がって、流れを持ってこれるので、狙っていきます。ウインターカップでは何回かダンクが見られると思うので、応援お願いします。

湧川 ウインターカップは3年生がメインの大会だと思うんですけど1、2年生の成長によって結果は変わってくると先生にも言われました。下級生の悠翔と自分は主に出るので、3年生を優勝させるという気持ちでウインターカップに臨んでいきたいと思います。インターハイでは平均20得点くらいだったので、ウインターカップでは平均30得点取れるようにやっていきたいです。絶対に日本一を獲ります!