クリス・ミドルトン

アデトクンボが復帰、チーム一丸のバスケでキャブズを撃破

東カンファレンスはネッツとヒートの台頭でレベルが上がり、それに触発されて今シーズンはさらに競争が激しくなっている。ディフェンディングチャンピオンにして主力選手のほとんどが残ったバックスは、開幕当初こそ勝率5割ペースだったが、この3週間で10勝1敗と巻き返してトップグループに戻ってきた。

ヤニス・アデトクンボが欠場してラプターズに敗れ、連勝が8で止まったが、続くヒート戦ではアデトクンボ抜きで競り勝った。そのアデトクンボは復帰戦となった12月6日のキャバリアーズ戦で27得点12リバウンドと、流石のパフォーマンスを見せた。

クリス・ミドルトンは21得点8アシスト、ドリュー・ホリデーは20得点7リバウンド8アシスト。アデトクンボを含む『ビッグ3』は、第4クォーターに14本中9本のフィールドゴールを決めて24得点を挙げ、勢いはあっても経験の足りないキャブズに勝負どころでの差を見せ付けた。

98-96と2点をリードした第4クォーター残り6分、ミドルトンがリムアタックからパスを出し、ホリデーの3ポイントシュートが決まった。終盤はアデトクンボがエースの仕事としてチャンスを確実に得点に繋ぎ、残り1分に3ポイントシュートを決めたところで勝負アリとなった。

ヘッドコーチのマイク・ブーデンフォルツァーは、「クリスがペイントに攻めて、ドリューのコーナースリーをアシストした。あれが均衡を破る一撃となった」と、この勝敗のカギとなったビッグプレーを振り返る。

「1ポゼッション差で推移していたので、誰かがやらなきゃならなかった。そこであの2人がやってくれたよ。ウチの3人は非常に優れた実力があり、なおかつ互いに助け合ってプレーできる。それでいて他のメンバーも必要に応じて仕事をしてくれる」

『ビッグ3』に加えて、この試合で見逃せない働きを見せたのはボビー・ポーティスだ。サイズのあるキャブズにアデトクンボだけで対抗するのではなく、ポーティスが身体を張ったプレーでチームを助けた。31分の出場で16リバウンド、そのうち8つが第4クォーターに記録したものだ。勝負を決めたホリデーのコーナースリーも、ポーティスのリバウンド奪取が起点となっている。アデトクンボも彼の働きを「フィジカルに戦って相手をペイントエリアから追い出し、何度もリバウンドを取ってくれた」と称える。

そのアデトクンボを称えたのはホリデーで、「彼はただ彼らしくやっているだけさ。全力でプレーして困難を乗り越える。チームから離れるのが嫌いで、多少どこか痛くてもすぐに戻ってきてすべてを捧げようとする」と語る。

この試合ではグレイソン・アレンも体調不良による2試合の欠場から復帰した。また昨シーズンのプレーオフで左足首の靭帯断裂の重傷を負ったドンテ・ディビンチェンゾも復帰に向けてGリーグの傘下チームに登録された。ブーデンフォルツァーは「彼は桁外れの努力をしており、多くの検査項目をクリアしてここまできた。我々の期待を上回るペースだ」と復帰への期待を語る。

6勝8敗から16勝9敗へ。チームの変化をミドルトンは「コンディションはまず大事。体調に問題なくプレーできていれば、どの試合にも勝つチャンスがある」と説明し、こう続けた。「長いシーズンを通して調子をつかみ、勝つための様々な方法をチームみんなで見いだしていく。個々が映像を見て自分のプレーを研究して、ミスから学ぶ。それが繋がってチームは成長していくんだ」

また、バックスには今月からフリーエージェントだったデマーカス・カズンズが加わっている。ここまで3試合に出場し、まだチームにフィットしなければならない段階ではあるが、キレのある動きを見せている。彼もまた長いシーズンの中でチームを支えるピースとなりそうだ。