折茂の一発、チーム初の3ポイントシュートが猛攻の呼び水に
10月10日の体育の日、Bリーグで唯一の試合となったレバンガ北海道vs秋田ノーザンハピネッツ。連敗脱出に燃える秋田がスコット・モリソンの先制点、田口成浩の3ポイントシュートで5-0と抜け出すが、その後は両チームが激しいディフェンスによりイージーシュートを打たせず、重苦しい展開となる。
第1クォーターは立ち上がりにリードを奪った秋田が2本の3ポイントシュートもあり常に先行したが、第2クォーターになると北海道もリズムをつかむ。ダニエル・ミラーがインサイドを攻略すると、良い形でのファストブレイクも決まるようになり、一時は逆転。それでも秋田の反撃を浴び、27-28と1点のビハインドで前半を折り返す。
両チームともにディフェンスが目立ち、イージーシュートを打たせないロースコアが続く。ただ、接戦ではあるが北海道は攻撃がインサイド偏重で、3ポイントシュートが1本も決まっていない苦しい状況だった。
第3クォーターも半分を過ぎた残り4分16秒、折茂武彦がようやくチーム初の3ポイントシュートを沈めてスタンドを沸かせる。もっとも、最終的に北海道の3ポイントシュート成功はこの1本のみ。折茂の一発は猛攻の呼び水にはなったが、勝利を引き寄せたのはインサイドの働きだった。
均衡を打開したのはベンチスタートのセンター、青島心。守備から攻撃に切り替わると、すぐさまペイントまで走ってボールを呼び込む。同ポジションのミラーは我慢強くケアしていた秋田ディフェンスだが、青島が投入されたことでリズムが狂った。第3ピリオドの終盤だけで青島はバスケットカウントによる3点プレーを2回決め、一気に秋田を突き放す。
リスク覚悟で反撃に出た秋田、ミスで力尽きる
47-39で迎えた第4クォーター、多嶋朝飛のジャンプシュートで49-39と点差が2桁に開く。ここから秋田はギャンブル的な攻めに出て、田口の2本の3ポイントシュートで追い上げるが、残り4分12秒、安藤誓哉が正面から狙った3ポイントシュートをミラーに叩き落とされ、そのまま走ったミラーにダンクを決められてしまう。
秋田はその後もリスク覚悟でチャレンジするも、ターンオーバーもかさみ、北海道がそのチャンスを確実に点に繋げるため、点差を縮められない。残り1分を切ってからケビン・パルマーが不十分な体勢からの3ポイントシュートを立て続けに決めて5点差まで詰め寄ったが、反撃もここまで。北海道が63-55で勝利した。
北海道は3ポイントシュートが15本中わずか1本しか決まらず、オフェンスを引っ張ったミラーも15得点とそれほど得点が伸びなかったが、出場した9選手全員が得点を記録。どのメンバーも激しくディフェンスし、よく走る我慢のプレーで勝利を手繰り寄せた。
前からの激しいディフェンスに加え、再三速攻を繰り出した多嶋は、「外からのシュートがなかなか入りませんでしたが、チームとして粘り強くインサイドからの得点につなげることができました」と試合を振り返る。水野宏太ヘッドコーチも「全体的にシュートの確率が低く、オフェンスが良くない中でも、選手が我慢し、ディフェンスで調整したことで、秋田にいきそうな流れをしっかりと止めてくれました」と、ディフェンスによる勝利だったことを強調している。
敗れた秋田は、栃木ブレックスに勝利したBリーグ開幕戦以後は5連敗。ホームに戻って千葉ジェッツを迎える次節、『地の利』を生かして立て直したいところだ。