岩下准平

ウインターカップ出場を決めた福岡大学附属大濠だが、県予選の決勝で福岡第一に敗れた精神的なダメージはいまだ強い。福岡第一は佐藤涼成、轟琉維のガードコンビが違いを作り出して、重い展開の試合を勝利へと持っていった。大濠のポイントガード、岩下准平は「エースガードとしてしっかり得点したかった」と責任感の強さを見せていた。ただ、出てしまった結果は変えられない。高校バスケ最後のウインターカップに向け、岩下は気合いを入れ直す。

「勝負どころは調子の良い選手で勝ちに行かなければいけなかった」

──『福岡決戦』を振り返りたいのですが、どんな気持ちで臨みましたか?

前回、インターハイの福岡県決勝では1点差で勝ったんですが、思うような勝ち方はできませんでした。今回は大差を付けて勝とうとチームで話していたんですが、自分たちのバスケットができず、相手のシュートタッチが良くて点数を決められました。いつも点数を取ってくれる大知の調子を取り戻させようとボールを配ったんですけど、それが上手く行きませんでした。やっぱり調子は良い時も悪い時もあって、勝負どころは調子の良い選手で勝ちに行かなければいけなかったと思います。相手の涼成や轟のシュートが当たっていたから、同じガードの自分が取り返そうという気持ちもあって、自分がプレーで引っ張ろうとしたんですけど、決めるべきところで決められないこともありました。

──地元でやる最後の試合、ライバルの福岡第一に負けたショックは大きかったと思います。チームの雰囲気はどうでしたか?

片峯先生は「これは先生の責任だ」と言っていました。ですが、しっかり準備もしたし、気持ちもしっかり入っていて、相手の福岡第一をリスペクトしつつ臨んでいたと思います。練習は自分たちの方ができていたと思うんですけど、相手はコロナでのキツい状況を乗り越えてきた分だけチームの団結力とか勝ちたい気持ちが強かったのかなと感じます。

ただ、負けは負けなので、自分はその日はしっかり悔しい思いを噛みしめて、次の日からは切り替えています。これで引退だったら引きずると思うのですが、いつものバスケができたら勝っていたと思うし、まだ終わりじゃないのでウインターカップに向けてやるだけです。自分たちには力があるはずで、それを信じて切り替えて、あとは練習あるのみです。

岩下准平

「ピックからの相手との駆け引きをしてのプレーを見てほしい」

──ウインターカップについては、どんな思い入れがありますか?

去年はケガをしていたので試合での思い出はないのですが、一昨年は1年から試合に出してもらって、2回戦の開志国際での試合で僕の3ポイントシュートが当たっていたので、大舞台で自信を持ってシュートを打てたことが印象に残っています。

──膝の大ケガを乗り越えました。1年間を棒に振った悔しさと今プレーできる喜び、どちらを感じていますか?

どちらもありますけど、1年間バスケができない苦しくて悔しい思いは今までに経験したことがないもので、それも含めてバスケに対する思いだったり、今まではなかった感謝の気持ちをあらためて感じることもできました。今はやっと何の痛みもなく本気にバスケットができているので、とてもうれしいです。

──ウインターカップに向けたチームの強みと課題を教えてください。

中部第一との試合でも、今回の福岡第一との試合でも感じたんですけど、オフェンスはその日によってシュートタッチが違うから調子の良い悪いがあります。調子が良かったらそのままでいいんですけど、調子が悪い時にチーム全体で何をするのかを、やっぱりもう一度ウインターカップ本戦までにしっかり全員が意識したいです。ディフェンスの部分だったりルーズボール、リバウンドは調子の良い悪いは関係なくて、毎度毎度出きることなので、その部分で他のチームに絶対勝てるようにやっていきたいです。

──ウインターカップで一番見てほしい、自分のプレーはどこですか?

ゲームをコントロールするっていうのもありますけど、やっぱりピックからの相手との駆け引きをしてのプレー、3ポイントシュートだったりアシストするところを見てほしいですね。