復帰後に待ち受けるのは、カイル・クーズマとのプレータイム争い
ウィザーズのトミー・シェパード球団社長兼GMが地元ラジオ局『TEAM 890』に出演し、開幕から10勝4敗と絶好調で東カンファレンストップを走るチームの好調ぶりを語るとともに、いまだ1試合も出場していない八村塁についても触れた。
八村は東京オリンピックを終えた後、『個人的理由』でチーム合流が10月中旬まで遅れ、その後は個人トレーニングを続けている。ただ、これはチームも了承済みで、八村の戦線復帰をサポートしていくとシェパードGMは言う。
その中で彼は、八村がウィザーズ傘下のGリーグチーム、キャピタル・シティ・ゴーゴーでプレーする予定であるとした。八村は2019年のNBAドラフトで1巡目9位指名を受け、過去2シーズンは常に主力として先発で試合に出てきた。当然ながらGリーグ行きは初となるが、シェパードGMはこれが八村のコンディションを上げるには必要なステップだとしている。
ウィザーズは全く新しいチームに生まれ変わった。ヘッドコーチにウェス・アンセルドJr.を迎え、クーズマを始めレイカーズからの移籍組にスペンサー・ディンウィディーと新戦力が主力を担っている。新たな指揮官は八村の復帰を無理に急がせず、コンディションを上げて、新しいバスケのスタイルを理解するまでに十分な時間を与えようとしている。チームとしては結果も出ているし、レイカーズから加入したカイル・クーズマがパワーフォワードとして大活躍しており、今は八村不在の影響はほとんどない。
だが、長く厳しいシーズンが続く中で、主力である八村には少しでも早く本来の調子を取り戻してチームに合流してほしいところ。10月中旬のチーム合流後、健康安全プロトコルをクリアした後でコンディションを作ってきた八村は、実戦の中で試合のリズムを取り戻すタイミングに来たということだろう。
八村はGリーグで短期間プレーすることになりそうだが、正式にウィザーズに戻って来た時、これまでのように先発で起用されると決まったわけではない。クーズマはチーム内外の信頼をすでに勝ち取っている。何より『勝っているチームを変えるな』という原則もある。
ただ、勝てないチームでただプレーし続けるより、絶好調のチーム内部で切磋琢磨してプレータイムを争う方が、八村には良い経験となる。ウィザーズは強いチームへと生まれ変わった。そのことは彼にもプラスに作用するはずだ。