終盤の2ポゼッションで速攻が炸裂
千葉ジェッツvs新潟アルビレックスBBの第2戦。千葉はシュートがリングに嫌われ前半で2桁のビハインドを背負ったが、一瞬の爆発力で逆転し、終盤の大事な局面でのパフォーマンスで上回り88-83で勝利した。
試合序盤、ホームの千葉はスクリーンをしっかりヒットさせ、ズレを作ることで富樫勇樹の突破力を生かし、その富樫が7連続得点を挙げて先行した。しかし、新潟もエースのロスコ・アレンに固執することなくボールを散らし、5選手が得点を挙げるバランスアタックで17-18と互角の戦いに持ち込んだ。
最初に抜け出したのは新潟だった。3ポイントシュートが8本中1本の成功とシュートが嫌われ続けた千葉に対し、ズレができるまでボールを回し、ショットクロックがなくなったところでアレンとコービー・パラスが打開するオフェンスが噛み合い、リードを広げていく。そして、綿貫瞬や納見悠仁などガード陣も少ないシュートチャンスを確実に決めたことで43-32と2桁のリードを奪って前半を折り返した。
劣勢に立たされた千葉だったが、これまで嫌われていたシュートが決まり始めたことで逆転する。佐藤卓磨と原修太が3ポイントシュートを成功させて勢いを与えると、ディフェンスでも24秒バイオレーションを誘発するなど攻守が噛み合う。こうしてリズムが生まれた千葉は、クリストファー・スミスがファウルを受けながら3ポイントシュートを沈める4点プレーも飛び出した。こうして、チームで9本中7本の3ポイントシュートを成功させた千葉は35-17とビッグクォーターを作り出し、7点のリードを奪って最終クォーターに突入した。
出だしでスミスが再び4点プレーを決め、千葉がこのまま押し切るかに思われた。だが新潟は平岡富士貴ヘッドコーチが第1戦の敗因に挙げた「トランジション、セカンドチャンスなどのイージーバスケット」を徹底して防いだことで再び盛り返す。速攻を抑えつつ、強力なインサイド陣に対しても身体を当てながらイージーシュートを許さず、文字通り粘りの戦いを続ける。そして残り2分、アレンが速攻から3点プレーを決め切り同点に追いついた。
前日のバウンスバックを果そうとする新潟の粘りが光ったが、ミスが許されない緊迫した状況下のパフォーマンスで千葉が上回った。アレンにタフショットを打たせ、リバウンドを保持した原がボールをプッシュし、そのまま自ら持ち込んでレイアップを沈める。さらにギャビン・エドワーズがアレンをブロックして失点を防ぐと、アレンが戻れずにアウトナンバーの状況からスミスが試合を決定づける3ポイントシュートを沈めた。こうして、クラッチタイムで持ち味である速攻を連続で成功させた千葉が、苦しみながらも88-83で勝ち切った。