長谷川暢

4連続3ポイントシュートでチームに勢いを与える

秋田ノーザンハピネッツはバイウィーク前最後の連戦で、ホームにレバンガ北海道を迎えた。第1戦は立ち上がりこそ追いかける展開となったが、第3クォーターで奪ったリードを守り切り、79-75で勝利した。

25-13と圧倒した第3クォーターの立役者となったのは長谷川暢だ。長谷川はこのクォーターの残り7分半に、この日2本目となる3ポイントシュートを成功させると、そこから4本連続で3ポイントシュートを沈めた。

得点面に目が行きがちだが、長谷川のディフェンスも素晴らしいものだった。高い位置から北海道のガード陣にプレッシャーをかけて、相手のリズムを崩していった。前田顕蔵ヘッドコーチは「ディフェンスからリズムを作ってくれて、オフェンスでもこうやって大きな起爆剤となってくれたので、チームとしては助かりました」と長谷川を称えた。

長谷川は11月7日の信州ブレイブウォリアーズ戦でキャリアハイの17得点を挙げたばかりだが、この試合では3ポイントシュート8本中5本成功を含む19得点を挙げ、早くも自身のキャリアハイを更新した。

長谷川はその要因を「プレータイムが伸びたのと、ディフェンスを一生懸命やるとシュートが入ります。打つ本数も増えましたし、積極的に行こうとは思っています」と笑顔で語った。

長谷川が挙げたように、秋田はディフェンスを第一に置くチームだ。そのため長谷川は「シュートの手応えは得ることができました」と自身のパフォーマンスを振り返りつつ、こう続けた。 「ディフェンスは仕事としてできて当たり前のようにチームに求められていますし、守備ができなければ僕は試合には出られないので(笑)、一生懸命やるしかありません。今日は思い切り良くシュートを打てて、それを決め切れたのですごく自信に繋がりました」

長谷川暢

「勝てたことで『自分でもプレーできるんだ』って思うようになりました」

今シーズンの長谷川はキャリアハイを更新する活躍を見せているが、それは11月に入ってからのこと。開幕したばかりの10月は9試合で平均プレータイム11.6分に留まっていた。それでも、11月のリーグ戦ではすべて先発を務め、プレータイムはこの4試合で平均20.5分と倍増している。

長谷川は「天皇杯あたりから試合に出られるようになって、自分でも何かをつかみたいと思っていました」と言い、こう続けた。「僕はまだ何もつかんでいないし、中心選手として試合に出られるようになるためにもアピールできたらなと思っていたので、今日は3ポイントシュートを決められたし、自信にもなりました」

そして、きっかけとなった天皇杯での出来事を明かした。「今シーズンはポイントガードとしてゲームを任せてもらえるようになりました。天皇杯の時に顕蔵さんから『練習だからな』って言われて、ここでポイントガードができなかったら、本当に使われなくなるような勢いでした。自分としてもここで絶対につかまなきゃって、すごくプレッシャーのかかる3試合でしたが、天皇杯で勝てたことが自信になりました。それまでは自信がなかったんですが、勝てたことで『自分でもプレーできるんだ』って思うようになりました」

失敗を繰り返して人は成長するものだが、自信を得るには結果を出すことが一番の近道だ。長谷川は北海道戦後の会見で何度も『自信』という言葉を出した。

「僕は毎回、自信なさげにやっていたんですけど、チームを代表して出ていますし、そこはスターティング5として自信を持って、1番で出たいと誰よりも思っているので、そこでオフェンスもディフェンスも自信がつきました」

昨日の試合で見せた迷いのないシュートは自信があるからこそ。結果を出すことで自信をつかんできた長谷川が、ここからどう進化していくのか楽しみだ。