サンロッカーズ渋谷

ハイプレッシャーから25ものターンオーバーを奪取

4連敗中の広島ドラゴンフライズと4連勝中のサンロッカーズ渋谷。対照的な両チームの対戦は、代名詞であるプレッシャーディフェンスが機能し、ターンオーバーから27点を奪ったSR渋谷が82-69で勝利した。

試合序盤、ジョシュ・ハレルソンの3ポイントシュートで先制したSR渋谷は攻守が噛み合い、開始約4分で11-2と先行する。その後、昨シーズンまでSR渋谷でプレーしたチャールズ・ジャクソンやグレゴリー・エチェニケにインサイドを攻め込まれ点差を詰められるが、このクォーターで8得点を挙げたハレルソンの活躍でリードを保つ。

そして第2クォーターに入ると、SR渋谷の代名詞であるプレッシャーディフェンスが広島に牙をむく。積極的にダブルチームを仕掛けてパスコースを限定させると、それを先読みしてパスカットし、何度もワンマン速攻を成功させた。開始約4分でリードを2桁に乗せたSR渋谷だったが、前半のフロースローが11本中4本の成功に留まり、広島のゾーンディフェンスを攻略できなかったことで大きく突き放すことができない。

8点をリードしたSR渋谷は後半に入ってもディフェンスの強度を落とさず、前半と同様にトラップディフェンスを成功させてはイージーシュートに持ち込んでリードを広げていく。バックアップセンターのマックス・ヒサタケも高い身体能力と敏捷性を生かし、速攻にブロックショットと役割を全うした。

一方、インサイド陣や辻直人へのマークが厳しく、得点が伸び悩んだ広島は、寺嶋良がフィニッシュまで持ち込んでオフェンスを牽引した。それでも、何度もターンオーバーから失点を許したことでリズムは生まれず、第3クォーターを終えた時点でビハインドは17にまで広がった。

最終クォーター序盤、ハレルソンがシュートを放った後の着地の際に足に乗ってしまい、プレーを続けられなくなるアクシデントがあった。ここまで16得点10リバウンド4ブロックと攻守で存在感を放っていただけに、その影響は大きいかに思われたが、ヒサタケがワンマン速攻からスコアするなど、その穴を見事に埋めた。

SR渋谷のシュートタッチは決して良くなく、広島に迫られる場面もあったが、持ち味とする激しいプレッシャーディフェンスが最後まで機能し、要所でワンマン速攻を成功させたことでセーフティリードを保ったまま逃げ切った。

今回の勝利で連勝を5に伸ばしたSR渋谷は、大黒柱のライアン・ケリーをケガで欠きながらも接戦をモノにする勝負強さを見せ、東地区上位をキープしている。一方の広島は7勝1敗と好スタートを切ったが、そこから5連敗と失速。特に直近の2試合は接戦を落としているため、勝ち切る強さをつけたいところだ。