大量リードを守り切れず、勝利を取りこぼす
11月6日、三遠ネオフェニックスは敵地でサンロッカーズ渋谷と激突。前半は39-23と申し分のない形で試合を折り返したが、第3クォーターに大きく失速してリードを吐き出すと、勝負どころでの決定力に欠け64-70で競り負けた。
三遠は先週末に行われた天皇杯3次ラウンド2回戦でB2の香川ファイブアローズに71-95とまさかの大敗。この悪い流れを、リーグ上位につけるSR渋谷を撃破することで変えたかったが、あと一歩で届かなかった。
指揮官ブラニスラフ・ヴィチェンティッチは、次のように試合を振り返る。「前半は非常に良い形でプレーし、ゲームをコントロールできていました。オフェンスリバウンド、スティールと相手の得意なところを抑えていました。しかし、第3クォーターにセカンドチャンス、ターンオーバーから失点をかなり許し、自分たちからコントロールを失ってしまった。最後、自分たちはオープンショットを決めきれず、相手はフリースローをしっかり決めました」
ヴィチェンティッチが悔やむように、三遠としては自滅で敗れるもったいない一戦となった。この試合、第1クォーターにミドルシュートを2本成功、13分17秒のプレータイムで7得点と繋ぎの役割を果たしたベテランの太田敦也は敗因をこのように語る。
「前半は自分たちのやりたいことができました。しかし、後半は渋谷さんのプレッシャーに引いてしまい、ドライブなどでインサイドにボールが入っていかなくなりました。そこからペースを相手につかまれて走られる。オフェンスリバウンドも取られて流れを断ちきれなかったです」
繋ぎ役としていぶし銀の活躍
そして悪い流れを断ち切るために必要なものとして、太田はメンタルの大切さを強調する。「技術云々より、まずは攻める姿勢です。ディフェンスでも相手より気持ちを出す。根性論っぽい感じでふわふわしていますが、そういうところがまだ足りていないと思います」
また、オフに多くのメンバーの入れ方があった中、相互理解をより深めないといけないと考えている。「選手たちの仲はとても良いです。ただ、いろいろなところから来た選手がたくさんいて、それぞれが何をしたいのか、深いところまでまだ分かっていない。そこを感じられるようになればもっとスマートなプレーができます」
ただ、敗戦の中にも明るい材料はある。その1つが太田の活躍ぶりだ。レギュレーションの変更や帰化選手の増加などにより日本人ビッグマンの出場機会確保が厳しくなる中でも、これまでBリーグ誕生時から20分前後のプレータイムを維持してきた太田だが、今シーズンはロバート・カーター、ジャスティン・ノックス、エリアス・ハリスの外国籍トリオで4番、5番ポジションを回す方針となり、出場時間は5分以下が続いていた。しかし、ハリスの負傷で先週から3番手ビッグマンの役割を担うと、今回のようにしっかり結果を残し健在ぶりを示している。
現在、3勝7敗の三遠だけに、シーズン序盤とはいえチャンピオンシップ戦線に食い込んでいくには、これ以上の黒星先行は避けたい。そのためには今日の試合でも、引き続き太田のいぶし銀の貢献が必要だ。