我慢の時間を乗り越え、最終クォーターに爆発
天皇杯3次ラウンドの2日目、アルバルク東京vs滋賀レイクスターズの一戦は終盤のパフォーマンスで上回り、最終クォーターを31-16と圧倒したA東京が92-75で勝利した。
最初に主導権を握ったのはトランジションオフェンスが機能した滋賀だった。ワンパス速攻やアウトナンバーからの速攻など、素早い攻守の切り替えが光る。さらに速攻が決まらなくても、アーリーオフェンスから林翔太郎が2本の3ポイントシュートを沈めるなど、積極的に放つアウトサイドシュートが高確率で決まった。残り2分半にはキーファー・ラベナの3ポイントシュートが決まり、21-11と2桁のリードを奪った。
それでも、A東京はここから反撃を開始。プレッシャーを高めて失点を防ぎ、滋賀のトランジションを抑えると、個に頼らないバランスアタックで10-0と走り、1点差に迫って第1クォーターを終えた。
その後は2ポゼッション差以上離れない接戦が続く。滋賀はガード陣の強気なドライブに合わせたショーン・オマラが前半だけで18得点とオフェンスを牽引。外国籍選手だけに頼らず、日本人選手もプルアップを沈めるなど、得点ペースを落とさない。一方のA東京は滋賀の素早いローテションの前にイージーシュートのチャンスを作り切れないものの、ライアン・ロシターやジョーダン・テイラーが個で打開し、アンダーで守ってきた際に積極的に放つ3ポイントシュートを高確率で決めた。
第3クォーターのラストポゼッション、1点ビハインドのA東京は田中大貴が林にプレッシャーをかけ、ラインクロスを誘う。滋賀はファウルだと抗議するも、その行為がベンチテクニカルの対象となった。そして、このフリースローを確実に沈めた田中は、続くラストポゼッションでもミドルシュートを成功させ、61-59と逆転してこのクォーターを締めくくった。
ここまでなかなか自分たちのペースに持ち込むことができなかったA東京だが、最終クォーターでようやくリズムをつかむ。調子の上がらなかったアレックス・カークが、滋賀がゾーンディフェンスに切り替えたタイミングでオフェンスリバウンドからバスケット・カウントを獲得。さらに小島元基も自身のマークが甘くなった瞬間を見逃さずに3ポイントシュートを沈めた。
悪い流れを止めたい滋賀はラベナが3ショットを狙い3ポイントシュートを放つも、これがノーファウルかつエアボールとなってしまう。ノヴァー・ガドソンが速攻をファウルで止めるも、これがアンスポーツマンライクファウルとなる負の連鎖に陥った。
これで得たフリースローを2本とも沈めた小島は続くポゼッションでもプルアップを成功させ、リードを2桁に乗せた。これで完全にペースをつかんだA東京は攻守ともに活性化し、カークが速攻から3点プレーを決め、サイズがミドルシュートを射抜くなど、一気に畳みかけた。時間がない滋賀は3ポイントシュートを多投するもこれが決まらず、点差は広がるばかりに。そして残り3分、サイズの3点プレーが決まり20点差としたところで勝負アリとなった。
A東京はチームハイの19得点を挙げたサイズを含む6人が2桁得点とバランスの良い攻めを展開。我慢の時間帯をフリースローで繋ぎ、結果的に20本すべてのフリースローを成功させたことも勝因となった。A東京は明日、三遠ネオフェニックスを破り勢いに乗る、香川ファイブアローズと対戦する。