ニコラ・ヨキッチ

指揮官マローン「時には私が彼のために決断しなければいけない」

ナゲッツのニコラ・ヨキッチは昨日行われたジャズ戦の途中で右膝を負傷し後半戦を欠場したが、検査の結果、構造的な損傷がないことが分かった。

第2クォーター残り1分54秒、ルディ・ゴベアがベースライン沿いにドライブを仕掛け、それを防ごうとしたヨキッチの右膝にゴベアの右膝が勢いよく直撃。ヨキッチはバランスを崩して仰向けで倒れ込むとともに、患部を抑えて悶絶した。しばらく立ち上がることができず、重傷が心配されていた。それだけに、首脳陣も検査結果を聞いて安堵したはずだ。

ヨキッチは3本の3ポイントシュートをすべて成功させ、前半だけで24得点6アシスト6アシストのハイパフォーマンスを見せていた。残りのメンバーも奮起したがヨキッチが抜けた穴は大きく、第4クォーターに突き放され、試合は122-110で敗れた。

もちろん目先の1勝は大事だが、シーズン序盤で大黒柱に無理をさせるほうがリスクは高い。指揮官のマイケル・マローンも「少し痛むと言っていたので、私が決めた」と話し、コンディションを優先してその後はプレーさせなかったと明かした。

また、マローンヘッドコーチは時に選手の意思を曲げてでも、リスクヘッジする必要があると続けた。「私がニコラについて学んだことは、彼に任せておけば、彼はすべての試合に出場するということだ。だから、時には私が彼のために決断しなければいけない。それはどの選手にも言えること。これ以上のダメージのリスクを考えると、ニコラが連戦の後半に無理をすることに意味などなかった」

ヨキッチはここまで4試合に出場し、平均26.8得点13.5リバウンド4.5アシスト2.0スティールを記録している。アシストは少し減ったが、MVPを受賞した昨シーズンとほぼ同等の数字を残しており、今シーズンも彼がナゲッツの中心選手であることに疑いの余地はない。ヨキッチとともにチームの中心を務めるジャマール・マレーが4月に左膝の十字靭帯断裂を負い、長期離脱を強いられている今、ケガに敏感になるのは当然だ。

ヨキッチが次戦から復帰できるかどうかは明らかになっていないが、『ヨキッチ頼み』のバスケから脱却する期間とポジティブにとらえ、他の選手のステップアップに期待したいところだ。