4年目で才能が開花「今シーズンはこれまでと雰囲気が違うように感じる」
テリー・ロジアーが足首を痛めていまだ1試合にしか出場していないにもかかわらず、ホーネッツは4勝1敗と好スタートを切った。昨シーズンの新人王、ラメロ・ボールがアップテンポなバスケを作り出す中、得点を量産しているのがマイルズ・ブリッジズだ。現地10月27日のマジック戦ではゲームハイの31得点を記録。開幕から5試合で30点超えはすでに3度目だ。得点は昨シーズンの平均12.7から倍増しているが、ホーネッツ関係者はこの好調に驚いてはいない。
昨シーズン、フィールドゴール成功率が50%、3ポイントシュート成功率で40%、フリースロー成功率で85%の数字を残した選手はNBAに6人しかいない。ブリッジズはその一人だ。今シーズンになってオフェンスのペースとスペーシングが改善され、多くのチャンスが回ってくるようになれば、彼の得点がハネ上がることは想像できていた。
ヘッドコーチのジェームズ・ボーレゴは言う。「急に活躍するようになったと思うかもしれないが、実際は一夜にしてのブレイクなど不可能だ。彼は過去3シーズンで少しずつ経験を積み、成長してきた。昨シーズン終盤には、もう予兆はあったよ。ラメロと(ゴードン)ヘイワードがケガで不在の中、チームを引っ張ったのは彼だ。それがあったからだろう、この夏にチームに戻って来た彼のプレーからは今までにない自信が感じられた」
ラメロが戦線復帰し、新加入のイシュ・スミスもスピード自慢のポイントガードで、ホーネッツは常に速い攻めを仕掛けるようになった。自信を高めたブリッジズは、そこでブレイクした。シュートアテンプトが9.4から17.5へと倍増しているのだから、成功率をキープできれば得点が倍増するのは当たり前。3ポイントシュートについては、ショットクロックがない場合などタフなシュートも引き受けるようになって成功率を35.7%と落としているものの、それでも十分な結果を残している。
ブリッジズは良くも悪くも粗削りなタイプで、コート全体を見通して一つ先のプレーを読むのが得意ではない。自らのアスリート能力を前面に押し出して『戦う』プレーヤーだ。それでも、4年目のプレーヤーとなればバスケIQは高まり、戦術的柔軟性がそれなりには身に着く。ディフェンスとリバウンドで自分の運動能力をより生かせるようになり、ラメロの作り出すアップテンポなバスケに合わせる順応性を発揮。こうして得点能力を最大限に引き出せるようになった。
ブリッジズは東カンファレンスのシーズン最初のプレーヤー・オブ・ザ・ウィークを受賞した。「今シーズンはこれまでと雰囲気が違うように感じる。みんな勝ちたいと思っている。そのためにできることは何でもやろうとしている」とブリッジズは言う。
開幕から4勝1敗、唯一の敗戦もセルティックス相手にオーバータイムにもつれる混戦で、勝っていてもおかしくはなかった。内容的にも、ラメロとイシュがテンポを常に上げ、ケリー・ウーブレイJr.とメイソン・プラムリー、ブリッジズがハードワークを貫き、ここにヘイワードがアクセントを加えるオフェンスは魅力に満ちている。今はまだ人々は『一時的な好調』としか見なさないだろうが、ホーネッツはこのまま今シーズンのサプライズチームとして駆け上がっていく可能性を秘めている。