川崎のビッグラインナップを攻略
川崎ブレイブサンダースvsレバンガ北海道の第2戦は、激しい守り合いが最後まで続く接戦となった。
最初に主導権を握ったのはアウェーの北海道。ミスマッチを作られても粘り強くボールに食らいついて失点を防ぐと、インサイドアウトから中野司の連続3ポイントシュート、デモン・ブルックスの速攻も決まり、開始3分で12-2といきなり2桁のリードを奪った。
その後、藤井祐眞に3ポイントシュートを決められ、ニック・ファジーカスのタッチダウンパスから再び藤井に速攻を許すなど迫られるが、このクォーターで8得点を奪ったショーン・ロングの活躍もあり、18-14とリードして第1クォーターを終えた。
第2クォーターに入ると、互いに24秒バイオレーションを奪い合う激しい守り合いの展開に。特に北海道は強度を保ちつつ、クローズアウトシチュエーションでも駆け引きでアドバンテージを与えない。さらにミスマッチを突かれても、ヘルプが寄ってイージーシュートを打たせないことで、5分間を無失点に防いだ。
ファジーカス、ジョーダン・ヒース、パブロ・アギラールのビッグラインナップの高さに押され始め、オフェンスリバウンドを6本許したが、すぐにシュートに反応してセカンドチャンスポイントを最小限に留めるなど、最後まで集中したディフェンスが光った北海道が26-23とリードを保ったまま前半を折り返した。
後半に入ると、これまでとは打って変わってハイスコアの展開に。ここまで北海道の堅守に苦しんできた川崎は、ビッグラインナップで強引に押し続け、アギラールの3ポイントシュートでようやく逆転に成功。さらに高さのミスマッチを突いて得点を伸ばすが、北海道もロングやブルックスのインサイドでの得点で対抗し、ここからリードチェンジを繰り返す展開が続いた。
佐古ヘッドコーチ「すべてが収穫、自信になった」
最終クォーターに入ってもその流れは続き、ロングのティップで北海道が59-54と久しぶりに2ポゼッション差にリードを広げたところでオフィシャルタイムアウトを迎えた。
ビッグラインナップに戻して勝負をかける川崎だが、山口颯斗がこれまでと同様にフィジカルを生かしたディフェンスでミスマッチになっても簡単なチャンスを与えない。そして、スクリーンアウトを徹底してセカンドチャンスポイントを防ぐと、ロングの速攻、ブルックスの3ポイントシュートが決まり、残り3分を切って2桁のリードを奪った。
その後、山口が個人4ファウルとなるが、残り1分半には橋本竜馬が篠山竜青から個人5つ目のファウルをもぎ取った。さらに直前に2本のフリースローを失敗した川崎とは対照的に、しっかり2本ともフリースローを成功させる。こうして最後まで高い集中力を保ち、ディフェンスの強度が落ちなかった北海道が川崎を今シーズン最少得点に封じ、最終スコア69-63で勝利した。
佐古賢一ヘッドコーチもディフェンスと我慢の勝利と強調した。「1クォーターからイニシアチブを取って、ずっと我慢する展開になり、ファウルトラブルやいろんなことをバックアップの選手が繋いでくれました。昨日はセカンドチャンスポイントとファストブレイクポイントで44ポイント取られましたが、今日は改善することができました。1試合を通じてディフェンスでしっかり我慢できて、こういう結果になりました」
佐古ヘッドコーチが「すべてが収穫、自信になった」と語ったように、北海道が持つ可能性を知らしめる試合となった。