アンソニー・デイビス&ドワイト・ハワード

ハワード「衝突はあったけど、兄弟の間でのことさ」

レイカーズは105-115でサンズに敗れ、これで開幕から連敗スタートとなった。

不甲斐ないパフォーマンスと敗戦、ネガティブな事態が重なれば、誰もがフラストレーションを溜めるもの。この試合の第2クォーター途中にはレイカーズベンチで一悶着があった。アンソニー・デイビスとドワイト・ハワードの衝突だ。

第2クォーター残り3分、ラジョン・ロンドが3ポイントシュートを決めてレイカーズが41-49と点差を1桁に縮めてサンズにタイムアウトを取らせた場面。先にベンチに戻ったハワードにデイビスが何かを言いながら詰め寄る。ハワードが言い返そうと立ち上がったところで腕が触れたのを機に、両者は揉み合いになった。幸い、周囲のチームメートがすぐに2人の間に割って入って事なきを得ている。

ただ、前半終了までに再び点差を広げられ、第3クォーターは37失点とディフェンスが崩壊。開始時点で67-94と大差を付けられた最終クォーターすべてがガベージタイムとなっており、最終スコアは10点差でも内容は惨敗と呼ぶべきものだった。

ハワードはプレータイムわずか9分。第2クォーターの衝突以降はコートに立っていない。事の発端はハワードがディフェンスのチームルールを守れていなかったことのようだ。ただ、それが言い合いで済まず衝突へと発展したのは勝てていないフラストレーションがあったからだろう。

それでも試合後の会見にレブロンとともに現れたデイビスは「勝負にこだわるヤツが2人いたら、時には起こることさ」と淡々としたもの。ハワードも「コート上で意見が噛み合わないことがあった」と認めたものの、コート内ですべて済んだ話だとしている。

ハワードはこう続ける。「僕らはどちらも勝利への欲求がすさまじく強い。負けたくないんだ。試合後、自分はチームの助けになるなら何でもやるし、お前のために戦うと伝えた。彼も同じことを言ったよ。衝突はあったけど、兄弟の間でのことさ。大げさにすることじゃない」

レブロンは「求めている形に到達するには、プロセスを経ないといけない」と、チームの現状を冷静に分析している。

「たった一夜でなりたい形を作れるわけではない。それは誰よりも僕が分かっていることだ。自分たちの能力が分かっているからフラストレーションが溜まるけど、ポジティブに取り組まないといけない。お互いのために良いプレーをすることが必要だ。試合をこなす中で改善できるよ。勝てるべき試合を落とすこともあるだろうけど、シーズンを通して良いチームを作っていけばいい」

開幕戦で当たったウォリアーズの出来は突出していたし、サンズはファイナル進出を果たした昨シーズンのチームをそのまま継続しており、この時期とは思えない完成度の高さがある。メンバーの大半を入れ替えたレイカーズにとってスロースタートは想定内なのだが、だからと言って連敗して何のストレスも感じないのであれば、それも問題だ。

指揮官フランク・ボーゲルは「上手く行かない時には会話にそのような熱が帯びることもある。誰も気にしないよりも気にしてほしいと思うよ」と言う。その彼も不利な判定について審判に問いただす際にコートに入ってテクニカルを取られているのだから、勝てないことで熱くなっていた一人だ。

レブロンは言う。「僕たちは勝負の世界に生きている。『もっと上手くやれたのに』と思う時に怒りの感情がなかったら、何のためにここにいるのか分からない。僕らは逆境が好きなんだ。話し合って乗り越えられれば、なお好きになる。それが本当の男のやり方だ。それぞれ自分の意見を言い、話し合って前に進む。彼らが今夜やったのは、そういうことさ」

https://youtu.be/TSpqc4jFYlA