ボールをシェアし、スペースを突く動きにパスを合わせてオフェンス爆発
シーホース三河が新潟市東総合スポーツセンターに乗り込んで新潟アルビレックスBBと対戦した。
両チームの最初のポゼッションが試合を象徴するものになった。新潟は選手の動きが噛み合わずにパスが回らず、納見悠仁のハンドリングミスがあって、アタックに行くことなくポゼッションを失うことに。対する三河はリスタートからの6秒間で4人がボールタッチする攻めで先制する。カイル・コリンズワースのオフボールスクリーンで抜け出したシェーファー・アヴィ幸樹に西田優大がパスを合わせてのアリウープは、5人の連動あってこその得点だった。
さらにはリバウンドを拾って持ち上がったダバンテ・ガードナーからカットインするコリンズワースへのパス1本でレイアップに持ち込み、2度のオフェンスリバウンド奪取からシェーファーの3ポイントシュートが決まる。開始2分とたたないうちに7-0。新潟は無得点どころかシュートを1本も打つことができないまま最初のタイムアウトを取らざるを得なかった。
その後に落ち着きを取り戻した新潟はディフェンスの強度を上げて立ち直り、佐藤公威に納見悠仁の3ポイントシュートで一度は逆転に成功する。それでも、試合を通じてアシストが25-14と差が付いたように、イージーシュートを作り出すチームの連動性で上回る三河が常に試合の主導権を握った。
悪い時の三河はガードナーが強引に押す単調な攻めに一辺倒になるが、良い時はコートを広く使ってボールをシェアできる。この日は良い時の三河で、さらにスペースに飛び込むカットインにパスを合わせる動きが光った。新潟は前から激しく当たることで立ち上がりの混乱からは脱したものの、裏のスペースのケアまではできず、三河の合わせのプレーの餌食となった。
第1クォーターこそ17-14と競ったが、その後は三河が着実にリードを広げていく展開に。新潟のオフェンスに爆発力をもたらすコービー・パラスにはコリンズワースがしっかりと張り付き、昨シーズンに新潟でプレーして相手を熟知する西田が司令塔の納見をマークして相手のオフェンスに勢いを与えない。エースのロスコ・アレンが18得点、佐藤が3本の3ポイントシュート成功を含む11得点と気を吐いたものの、三河のペースに合わせることはできなかった。
チームバスケが噛み合わない新潟は4連敗、佐藤公威「向き合うしかない」
結果、すべてのクォーターで三河が上回り81-58の完勝。バランスアタックが目立つ中でもチャンスがあれば迷わずシュートを放つ積極性を見せ、キャリアハイの22得点を挙げた長野誠史の活躍が目立った。フィールドゴール13本中9本成功、加えて4アシストにターンオーバーなしと最高の出来。
味方の分厚いスクリーンを使っての3ポイントシュートに、ボードの裏を通す高難易度のシュートを沈めるなど多彩な得点能力を披露した長野だが、ドライブでゴリゴリ仕掛けた際には空いた味方にパスを送り、味方がチャンスをお膳立てしてくれた際には迷わずシュートを放つ判断の良さが光った。そんな大活躍にも「いつも通りにやったつもり。これからもコンスタントにこれぐらいの点数を取っていきたいし、自分のリズムをつかむためにもディフェンスから頑張っていきたい」と浮ついた部分は一切見せなかった。
これで三河は4連勝。もともと個の破壊力は大きいだけに、こうしてチームが噛み合い、隙のないディフェンスから攻めに転じてボールとチャンスをシェアする戦い方を続けられれば、連勝はまだまだ伸びそうだ。
対する新潟は4連敗。主力に入れ替わりがあり、いまだチームとして噛み合っていない。シュートタッチが極端に悪かったわけではないが、アシスト14に対しターンオーバーが18、フリースローの試投数がわずか3(三河は10)では勝機は見いだせない。ベテランの佐藤は「現時点のチームの状況がこの点差になってしまっている。今日のようなゲームに向き合うしかないと思います。自分たちを見つめ直して、明日どういう気持ちで入るかが重要」と語った。
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