ジェイソン・テイタム

「これが最後の1回になることを願う」

ニックスvsセルティックスの開幕戦。最終クォーター残り1分にエバン・フォーニエの3ポイントシュートが決まり、リードを6点に広げた時点でニックスの勝利は揺るがないかに思われた。だが、ケンバ・ウォーカーが2連続でパスを奪われ、1ポゼッション差に迫られると、試合終了の合図と同時にマーカス・スマートに3ポイントシュートを決められ、延長戦に持ち込まれた。

ほぼ負けが決定している状況から生還したことで勢いはセルティックスにあり、実際に試合を決めるチャンスが訪れた。同点で迎えたラストポゼッション、セルティックスはジェイソン・テイタムにボールを託したが、タフショットを打たされエアボールとなり、試合はダブルオーバータイムへと突入した。

再びチャンスが訪れたニックスは終盤にフォーニエの3ポイントシュートで逆転し、デリック・ローズが2ポゼッション差に広げるシュートを沈めて138-134で勝利した。

クラッチシュートを次々と沈めて32得点を挙げたフォーニエは、勝利を取りこぼさずに済み「クレイジーだった」と笑顔で語った。「雰囲気、ファン、延長にもつれた試合自体は楽しかった。でも最初の48分間で試合を終わらせたかったよ。特に最後のほうは激戦だったね。お互いに疲れているのは皆さんも見ての通りだ」

セルティックスはジェイレン・ブラウンがキャリアハイの46得点を記録し、驚異的な粘りを見せたが、ブラウンとともにエースを務めるテイタムの不調が試合の勝敗を分けることになった。テイタムは得点こそ20に乗せたが、フィールドゴールは30本中7本の成功(23.3%)と著しく精度を欠いた。

テイタムは「彼は信じられないほど素晴らしかった。今夜は彼が僕たちを支えてくれた」とブラウンのプレーを称賛したが、「僕も自分の役割を果たしたかった」と自身の不甲斐ないパフォーマンスについても言及した。「1シーズンに一度あるかないかだけど、自分で自分を笑わなければいけない時もある。これが最後の1回になることを願うよ。あと81試合もあるんだから」

セルティックスは次戦、ホームにラプターズを迎える。この悔しい敗戦を糧にし、テイタムには本領を発揮してもらいたい。