固い守備にバランスの良いオフェンスで最大21点のリードを奪う
横浜ビー・コルセアーズvsサンロッカーズ渋谷の第2戦は、80-73で横浜が勝利した。
横浜がこの試合を制した要因は、前半で奪った21点のリードを守り抜いたからだ。ピック&ロールを中心に攻めるSR渋谷に対し、ヘルプに素早く入ることでタフショットを打たせてはディフェンスリバウンドを奪っていく。オフェンスではドライブからのキックアウトやポストプレー、そしてピック&ロールと様々なパターンを使い、外と中からバランス良く得点を重ねた。試合の立ち上がりこそ拮抗したが、SR渋谷が開始約2分で3つ目のファウルを犯したのを機に、横浜はよりアグレッシブに攻めていく。生原秀将とパトリック・アウダのピック&ロールやレイトン・ハモンズの連続得点もあり、第1クォーターで22-13とリードを奪った。
横浜の勢いはさらに加速し、第2クォーターの開始5分間を14-2と圧倒する。ローテーションを守り、強度の高い守備を続けることでSR渋谷にストレスを与えていく。先発メンバーだけでなく、ベンチから出場した大庭岳輝が連続3ポイントシュートを沈め、ディフェンスでもスティールからの速攻を演出するなど攻守に奮闘した。
42-29で迎えた後半、ディフェンスの強度を上げたSR渋谷にペースを握られそうになり、一時は6点差にまで詰められた。しかし、勝負どころでエドワード・モリスが3ポイントシュートを2本沈め、日本人エースの森川正明も3ポイントシュートやセカンドチャンスポイントをモノにすることで迫り来るSR渋谷を突き放し、前日の雪辱を果たした。
敗れた第1戦ではベンドラメ礼生に23得点、石井講祐に14得点を許したが、今日の第2戦では、ベンドラメ礼生を6得点、石井を9得点に抑えた。横浜の青木勇人ヘッドコーチは、「渋谷さんのセットオフェンスを守っていくことが重要でした」と、勝因にディフェンスを挙げた。「ハーフコートバスケを守るためにも、ターンオーバーをしない、セカンドチャンスを与えないことを徹底しました。ディフェンスがセットできていたのでベンドラメ選手や石井選手に対してマッチアップでき、追いかけ回すことを徹底できたのが良い結果に繋がりました」
「自分たちのバスケットを体現できず、個人バスケになってしまった」
一方、SR渋谷は21点のビハインドを1桁にまで戻したものの、流れをつかみ切ることができなかった。横浜のハードな守備に対して、オフェンスが小さくなり、パスが繋がらない場面も見られた。それでもハードな守備でリズムを整えるのがSR渋谷の強みだが、オフェンスで崩れたゲームをディフェンスで取り返すことができなかった。
伊佐勉ヘッドコーチは「悪いゲームでしたし、自滅してしまいました」と悔やんだ。「流れを持って来られた時間もありましたがオフェンスやフリースローのミスで横浜さんが息を吹き返して、こっち側に流れを持って来られず、自滅したゲームでした」
その自滅の原因の一つに、『意識が向く方向』を挙げた。冒頭でも触れたがSR渋谷は開始約2分でチームファウルが3つになったように、その後もファウルを抑えることができなかった。伊佐コーチは言う。「イージーショットミスだったり、レフェリーにメンタルが向いている時に、流れが向こうに行ってしまいました。オフェンスも悪くなったらボールに寄ってしまい、そこを直さないとクロスゲームに勝てないチームになってしまいます。小さなミスから4、5点差が7、8点差となり、そして10点差になるのを繰り返したゲームでした」
この試合で15得点20リバウンド(うちオフェンスリバウンドが12)3アシスト1スティール4ブロックと、攻守に渡ってチームを支えたジョシュ・ハレルソンは「インテンシティが負けていたところから、持ち直したのは評価できます。ただ、出だしでスローに入ってしまって横浜さんに自信を与えてしまいました」と悔やんだ。
前節でも秋田ノーザンハピネッツに第1戦は勝利したが、第2戦を落としている。ハレルソンは第2戦を続けて落としていることについて「今日はチームバスケットを体現できず、個人バスケになってしまった」と言う。「今日はチーム全体でもイージーショットを外してしまったのが原因です。でも、1試合目は勝っているので、勝ったプランを意識して第2戦に取り組む必要があるし、SR渋谷のバスケを体現することをチームで意識しなければいけません」