アルバルク東京

3ポイントシュート成功率は驚異の71.4%

10月10日、アルバルク東京がホームで富山グラウジーズとの第2戦に臨んだ。21本中15本成功と驚異的な成功率を誇った3ポイントシュートを軸とし、ライアン・ロシターの23得点を筆頭に5人が14得点以上とバランスの取れた攻撃で114-81と圧勝し、戦績を2勝2敗にした。

試合の出だし、富山はジュリアン・マブンガ、ジョシュア・スミスの2大エースが最初からエンジン全開。マブンガはスクリーンを巧みに使ってのドライブや3ポイントシュートと変幻自在なオフェンスで得点を量産。また、スミスはA東京の執拗なダブルチームに難なく対応して、日本人シューターが長距離砲をノーマークで打つための起点となった。

この結果、第1クォーターだけでマブンガは13得点、さらに晴山ケビン、松井啓十郎の両シューターで合わせて17得点と持ち前の得点力が爆発する。だが、A東京もアレックス・カーク、ロシター、セバスチャン・サイズと自慢のインサイド陣を中心に高確率でシュートを決め、第1クォーターはA東京の31-30と壮絶な点の取り合いとなった。

第2クォーターに入ってもA東京の勢いは止まらない。3ポイントシュートが引き続き決まるだけでなく、オフェンスリバウンドを取りインサイドで分厚い攻めを見せる。ディフェンスではローテーションが改善されてプレッシャーが強まり、外角シュートにもしっかりプレッシャーをかけることにより、富山オフェンスを失速させた結果、59-50とリードを広げて前半を終える。

何とかディフェンスを立て直したい富山だったが、最初のディフェンスでザック・バランスキーに3ポイントシュートを決められ主導権が握れなかった。そして第3クォーター残り6分半、小島元基も長距離砲を決め、このクォーター出だしから10–2のランでリードを17点にまで引き離すと、そのまま最後まで富山に反撃のきっかけを与えずに、A東京が楽々と逃げ切った。

アルバルク東京

内容にも手応え「沖縄では第4クォーターで逃げきれずに勝てなかった」

A東京の指揮官ルカ・パヴィチェヴィッチは、試合途中で守備の立て直しに成功したことを勝因に挙げる。「富山はマブンガ選手、スミス選手を起点とする中、ディフェンスが鍵になったと思います。最初は相手のオフェンスをなかなか止めることができませんでした。それでも、第2クォーター以降には私たちのビッグマン、アレックス、ライアン、セバスチャンがしっかり相手のビッグマンを止めることができたことで結果的にリードが広がり、我々にとって良い流れとなりました。ペリメーター陣も相手に簡単にプレーさせなかったです」

ルカヘッドコーチは敵地で琉球ゴールデンキングスに連敗を喫した開幕節を受けての連勝で、勝敗を五分に戻せたことの意味を強調する。「アウェーの沖縄で連勝するのは並大抵のことではなく、1勝1敗で帰りたかったのが正直なところでしたが連敗を喫してしまいました。それを今回の2連勝で取り戻せたのは大きいです」

また、試合の内容についての手応えをこのように語った。「沖縄では2試合とも第4クォーターで逃げきれずに勝てなかったです。昨日、今日はここでリードをさらに広げて勝つことができたのはプラスです」

シーズンは始まったばかり。新加入メンバーも多いA東京はまだまだ指揮官が求める一体感、フィジカルの状態には達していないが、それは想定内でもある。「一つひとつの練習でチームをステップアップさせ、それを試合で出して勝ちに繋げていく。その繰り返しとなります」と語るように、チーム作りをしながらも、結果を出していくことの積み重ねでしか、目標とする王座奪還には近づかない。