再スタートの宇都宮ブレックス、悔しい敗戦の中で田臥勇太が見いだす光明「チームとして戦っていける兆しが見えています」

再スタートの宇都宮ブレックス、悔しい敗戦の中で田臥勇太が見いだす光明「チームとして戦っていける兆しが見えています」

2021/10/10 12:00
田臥勇太

第2クォーターに3本のシュートをすべて決めて7得点

宇都宮ブレックスは10月9日に行われた川崎ブレイブサンダース戦に76-78で惜敗した。最大15点のリードを許す展開も粘り強い戦いで試合終盤に一度は追いついたが、わずかに及ばず前日に続いての勝利を逃した。

しかし、群馬クレインサンダーズ に2試合連続オーバータイムで競り負けて連敗スタートとなった開幕節に比べると、チームは確実に成長している。安齋竜三ヘッドコーチは「途中15点差が付きましたが、よく我慢して追いついてくれた。負けてしまいましたが、来週以降に繋がっていく試合だった」と語る。

開幕節に続き、今回も接戦を落としたことに悔いは残る。ただ、クラッチタイムにおける試合運びは1週間前に比べ進歩していると指揮官は続ける。「正直、開幕2試合は最後どこで攻めるのか確立できていない部分もありました。それが、この2試合に関してどこを中心に攻めるのか、こういう状況で誰にやらせるのかはある程度は明確になってきています。ローテーションでいろいろな組み合わせをやっているので、そこをしっかり戦えるようにやっていければもっと良くなっていけます」

そして、ポシティブな要素の一つが、田臥勇太の活躍だった。第2クォーター途中でコートに入ると、3ポイントシュートを含むフィールドゴール3本中3本成功で7得点をマーク。第2クォーター、チーム全体で挙げた15得点の約半数を叩き出した。

試合後の田臥は「勝てなかったことの方が大きいです」と強調しつつ、自身のパフォーマンスをこう振り返る。「試合の状況を見ながら入っていて、チームメートが空いたところでパスをくれた。空いたら思いっきりシュートを打つだけ。そうでなかったら展開していく積み重ねです」

故障もあってシーズン前半戦はベンチ登録外が続いた1年前と比べ、今シーズンは開幕からしっかりプレーできていることへの手応えはある。「去年のオフシーズンはリハビリ中心でしたが、今シーズンはよりトレーニングなど練習に重きをかけてやれた分、違いはあります。まだ序盤ですし、自分としてもコンディショニングを上げていながらチームの勝利に貢献していきたい」

田臥勇太

「もっと噛み合ってくれば中、外とバランス良くなってきます」

今オフ、宇都宮は長きにわたりインサイドを支えていたライアン・ロシター、ジェフ・ギブスが揃って移籍。チームが大きく変わっていく中、まずはアイザック・フォトウ、チェイス・フィーラー、ブランドン・ジャワトといった新戦力に『ブレックスメンタリティ』に代表されるチーム文化を浸透させ、一体感を高めていくことが重要となってくる。

「自分に限らず、ナベ(渡邉裕規)だったり遠藤(祐亮)だったりと長くいる選手たちには染み込んでいます。昨シーズンからいるメンバーはブレックスメンタリティがどういうものか分かっていて、新しい選手たちにそれが伝わるようにやっていかないといけない」

そう語る田臥は、だからこそ「今年のテーマとしてみんなで話し合ったり、意見を言い合ったりしながらチームを作っていくことも大事なポイントです」と意識している。

一方でシーズンは始まったばかりであり、現時点で新加入メンバーにロシター、ギブスのようなチーム文化、戦術への理解力を求めるのは非現実的だ。ただ、「アイザックを始め全員がフロアにダイブしました。そういう気持ちを出してくれているので、チームとして戦っていける兆しが見えています」と田臥は、これからの成長に手応えを得ている。

変革の時を迎えている宇都宮が、これからどんなチームに仕上がっていくのかは大きな注目だ。「ルーズボールなどを大事にしていきたいと思っているチームですので、これはシーズンを通してどこにも負けないようにやっていきたい」と根幹として変わらない、変わってはいけない部分はある。

その上で田臥はこう言う。「より全員バスケットをできるチーム。インサイドでボールを預けられる時間帯が多くなっています。そこがもっと噛み合ってくれば中、外とバランス良くなってきます」

新しい宇都宮のスタイルが確立されるまでにはまだ時間は必要だが、進むべき道は見えている。そこに向かって脱線せずチームが着実に進んで行くために、コート内外において田臥の存在は大きいとあらためて感じさせられた。

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