新天地での手応え「チームプレーに徹するプレーヤーが多い」
昨シーズンは9勝46敗でリーグ最下位に終わった広島ドラゴンフライズは、今オフに大型補強を実行した。昨シーズンはグレゴリー・エチェニケという平均ダブル・ダブルの最強センターに頼る傾向が強かったが、今シーズンはチャールズ・ジャクソンとニック・メイヨというリーグでもトップクラスの外国籍選手を獲得し、抜群の安定感を誇るポイントガードの寺嶋良、日本トップクラスの実績を持つシューターの辻直人をロスターに加えた。
主力選手が入れ替わったチームはケミストリーの構築に時間がかかるものだが、広島は昨日の名古屋ダイヤモンドドルフィンズ戦を98-90で勝利し、これで開幕3連勝。この試合での広島は、ビッグラインナップを敷いてインサイドを強調しながらも、辻がフィールドゴール11本中10本成功、うち3ポイントシュートが8本中7本成功の27得点4アシスト、寺嶋が16得点2リバウンド5アシストを記録。そして、エチェニケとメイヨがともに12得点を記録するなど、バランスの良いオフェンスを展開して勝利をつかんだ。
このオフェンスのバランスの良さについて辻は「そういう補強をしたと思うし、実際にやってみて自分が自分がという選手は少なくて、チームプレーに徹するプレーヤーが多い。それが今回のスタッツにも表れていると思います」と語る。「もう少しチーム力が上がってきたらミスも少なくなって、もっとスムーズなバスケットができるのかなと。ここに居てほしいなという時にいてくれたいり、そういったことが生まれてくると思います」
「自信を持って挑んだのが思い切ったシュートに繋がりました」
辻が試合後に「こういう展開で押し切れて勝てたのは、チームにとってすごくプラスになります」と振り返ったように、勝ちはしたが簡単に勝てたわけではない。
同点で迎えた第2クォーターに辻の3ポイントシュートをきっかけにして主導権を握り、最大13点のリードを奪ったが、後半は名古屋Dの速いペースのバスケに受け身に回り、3点差まで詰められた。しかし、ここでも辻の3連続3ポイントシュートがきっかけとなり勝利を収めた。
辻は好調だったシュートタッチについて「今週は練習で調子が良くて、気持ち良く打てていたし、開幕節よりも良い状態に自分も上がっていたので、自信を持って挑んだのが思い切ったシュートに繋がりました」と振り返った。
そして、開幕3連勝に対し「絶好のスタートだと思う」としつつも、「連勝して良い時こそ、自分たちの緒を締めて自分たちのバスケに向き合っていきたい」と続けた。「蓋を開けてみれば改善点はいっぱいありますし、常勝チームを相手にはまだ及ばないチームだと思いますので、そこを見つめ直して日頃からやっていく必要があります」
カイル・ミリングヘッドコーチの下、統率の取れたバスケットを展開した広島は、今日の第2戦も勝利して開幕4連勝を挙げることができるのか。今日の広島vs名古屋Dの一戦は、15時5分にティップオフを迎える。