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リオ五輪を経て自信を得たポール・ジョージ

NBAベストプレーヤーに欠かせない称号が「シーズンMVP」だ。チームの勝利に貢献するだけではなく、チームを一段も二段も上のレベルに引き上げられる存在で、求心力を持ち、トップ選手に相応しい姿勢でバスケットボールに取り組む選手に与えられる名誉である。

ここ8年間の受賞者を振り返ってみると、その内6年間はレブロン・ジェームズ(2009、2010、2011、2012)とステファン・カリー(2015、2016)が分け合っている。2011年はデリック・ローズ、2014年はケビン・デュラントが年間最優秀選手賞に輝いたものの、新たなスターが出ていないのが現状だ。

そんな中、今夏アメリカ代表の一員としてリオ五輪での金メダル獲得に貢献し、先日レブロンに挑戦状を叩き付けたペイサーズのポール・ジョージが、今シーズンのMVP候補に自ら名乗りを挙げた。

出演したラジオ番組でジョージは「今シーズンはMVPを受賞したい」と語った。

「とても難しいチャレンジだけど、コーチ・ネイト(ヘッドコーチのネイト・マクミラン)と、新戦力を含めたチーム力を考えれば、それに自分のプレーを続けて、チームのリーダーとして相応しい活躍ができて、アグレッシブにプレーし続けて、シーズン終了まで絶対に受賞するんだという気持ちでプレーできたら、という条件付きではあるれど、MVPの候補に挙がると思っている。簡単に手に入るものではないけど、取りに行かないと取れない。今シーズンは僕の番さ」

五輪終了後、明らかに以前よりも自信に満ちた発言をするようになったジョージだが、ライバルはレブロンとカリーだけではない。ウォリアーズ移籍を批判するメディアに正当性を証明しようと燃えるデュラント、ティム・ダンカン引退後のスパーズのエースとなったカワイ・レナード、名実ともにサンダーの顔となったラッセル・ウェストブルック、ロケッツ復活のカギを握るジェームズ・ハーデンといった顔ぶれも、MVP受賞を狙っている。

2014年に右足開放性骨折という重傷を乗り越え、昨シーズン完全復活を果たしたジョージの有言実行となるか、ペイサーズファンならずとも注目してしまう。

ティーグを新しく相棒に迎え、昨シーズン以上の成績を目指す。MVP獲得には早い段階で彼との連携を構築することが重要となる。