ディアンドレ・エイトン

同期が次々とマックス契約を結んだ今オフ

昨シーズンのサンズはクリス・ポールが加わったことでチーム力が向上し、NBAファイナルまで勝ち進む飛躍のシーズンを送った。

ポールはオフに4年1億2000万ドル(約130億円)という高額な条件で再契約を結んだ。これはデビン・ブッカーとディアンドレ・エイトンら、将来有望な若手がいるチームの力を信じてこその残留だった。そのため、チームの核となるエイトンとはすぐに延長契約が結ばれると思われていたが、現在その交渉が難航している。『ESPN』によれば、エイトンはマックス契約を望んでいるが、球団はエイトンとのマックス契約を考えていないという。

エイトンは2018年のドラフト全体1位指名選手で、1年目からシーズンダブル・ダブルを記録し、オールルーキーファーストチームに選出されるなど、その評価に恥じない成績を残している。さらに『ESPN』によると、昨シーズンのプレーオフで記録したフィールドゴール成功率66%は、NBA史上最高の数字だという。

このように結果を残しているエイトンだが、同じ2018年ドラフト組の同期が次々とマックス契約を結んだことが話をややこしくしている。今オフはルカ・ドンチッチ、トレイ・ヤング、シェイ・ギルジャス・アレクサンダー、マイケル・ポーターJr.がそれぞれマックス契約を結んだ。エイトンが同期よりも劣る条件での契約を拒むのも無理はない。

だが、彼らはすでにチームのファーストオプションやセカンドオプションを任され、一人で打開できるタイプであるのに対し、エイトンはポール、ブッカーに次ぐサードオプションだ。また、現代のビッグマンに求められる器用さが将来的に見込めず、ポールがいるからこそ輝きを増したこともあり、個人としてのインパクトはマックス契約を結んだ彼らより劣る。だからこそ、すでにポールとブッカーとマックス契約を結び、サラリーをなるべく抑えたい球団側がマックス契約を渋るのも理解できる。

10月18日の期限までに延長契約が成立しなかった場合、エイトンは来年夏に制限付きフリーエージェントになる。エイトンはサンズが強豪であり続けるための重要なピースでもあるため、クラブとしてもフリーエージェントになるのは避けたいところ。両者の決断に注目が集まる。