前田悟

「チームが重い時に起爆剤となって流れを作れればと思いました」

10月2日、川崎ブレイブサンダースは横浜ビー・コルセアーズとの開幕戦を82-64で制した。

この試合で川崎デビューを果たした前田悟はシックスマンとして出場し、22分の出場で3ポイントシュート3本成功を含む11得点1リバウンド2アシスト1スティール1ブロックを記録。攻守に渡って勝利に貢献した。

前半は横浜の足を動かした強度が高いディフェンスに苦戦し、得点が伸び悩む時間帯が続いた。それでも「シックスマンとして出ているので、チームが重い時に起爆剤となって流れを作れればと思いました」と振り返ったように、コートに送り出された前田は前が空けば迷わずにシュートを打つことでチームに勢いを与えた。

前田は言う。「シューターとして出ているので、躊躇せずにどんどん打つように言われています。そこは自分の仕事なので、これからもどんどん打っていきたいです」

シュートだけでなく、川崎の選手らしくハードなディフェンスでチームに貢献する姿も目立った。本人も「ディフェンスのチームなので、ディフェンスができないと試合に出られないですし、アグレッシブにやるように試合に入っています」と言う。

その姿勢は佐藤賢次ヘッドコーチにも伝わっていて「今日は積極的にやってくれたし、ディフェンスで良い場面があったので成長を感じます」と前田を称え、さらなる期待を語った。「強度が高いディフェンスで足を使っている中で、どれだけシュートを決め切れるかにチャレンジしてほしいです」

前田悟

「もっと決めなきゃいけないシュートはたくさんありました」

数字にも表れているように、前田は新加入とは思えなほど、チームに馴染んだプレーをしていた。それはシュートだけでなく、オフボールでの動きやニック・ファジーカスとのピック&ロールなど様々なシーンで見られた。

「最初は外国籍選手がいない中で、日本人選手だけでずっと練習をしてきました。あと、もともといる選手たちがすごくコミュニケーションを取ってくれて、溶け込みやすい雰囲気を作ってくれているので、少しずつ溶け込めていると思います」と、前田はチームメートのおかげでスムーズなプレーができていると言う。

デビュー戦で日本人選手としてはトップとなる11得点を挙げたが、前田は「もっと決めなきゃいけないシュートはたくさんありました」と満足はしていない。そして「ディフェンスでもやられたところがあったので、そこは修正して明日の試合に臨みたいです」と続けた。

2019-20シーズンには新人王を獲得し、昨シーズンは富山のチャンピオンシップ進出に大きく貢献した前田の新天地での挑戦、そして新たな環境に身を置くことでのさらなる成長に注目したい。