新加入のマット・ジャニングと前田悟が苦しい時間帯を救う
川崎ブレイブサンダースがホームのとどろきアリーナに横浜ビー・コルセアーズを迎えた2021-22シーズンの開幕戦。第3クォーターの中盤まで拮抗した戦いとなったが、82-64で川崎が勝利した。
川崎の先発は藤井祐眞、増田啓介、マット・ジャニング、ジョーダン・ヒース、ニック・ファジーカス。横浜は生原秀将、大庭岳輝、森川正明、パトリック・アウダ、レジナルド・ベクトンの5人。
インテンシティの高いディフェンスが持ち味の川崎だが、佐藤賢次ヘッドコーチが「開幕戦なので難しい試合になることは予想していましたが、横浜さんの予想以上に強度が高いディフェンスに苦しんでリズムをつかめませんでした」と振り返ったように、タイムシェアを行いながら強度が高いディフェンスを行う横浜を前に思うようなバスケットができない時間が続いた。
川崎のセットプレーが決まらず、そしてリバウンドも横浜に抑えられたことで得点が伸び悩んだが、その苦しい時間帯を新加入のシューティングガード、マット・ジャニングが救う。ジャニングはトランジションからのストップ&シュートなど第1クォーターだけで3本の3ポイントシュートを成功させて、逃げる横浜に食らい付いた。また、ジャニングのスティールから前田悟も3ポイントシュートを決め、新加入コンビの活躍もあり15-14と逆転して第1クォーターを終えた。
しかし、第2クォーターになっても横浜の強度の高いディフェンスに苦戦し、さらにアウダ&ベクトンのインサイドプレーを止めることができずに、なかなか主導権を握ることができない。
37-33で迎えた後半。川崎の1ポゼッションリードのまま時計が進んだが、第3クォーターの中盤に来てようやく試合が動き出す。前半は0得点だった藤井がアグレッシブなドライブでファウルを奪うと、その後も3ポイントシュートを決めてチームに勢いを与えた。そしてチーム全体でディフェンスのギアを一段上げ、横浜のペイントアタックを封じることに成功。ディフェンスでリズムをつかんだ川崎は、バックコート陣のペイントアタックも生き始め、ニックやパブロの得点が決まるようになり、57-48とリードを広げて最終クォーターへ。
最終クォーターの最初のポゼッションで24秒を守り切った川崎が、このまま主導権を握った。篠山が4点プレーとなる3ポイントシュートでのバスケット・カウントを奪い、開始1分で60-48とようやくリードを2桁に。その後も、川崎は人とボールが連動して動き、前田がフリーで3ポイントシュートを沈めるなど、リードを広げていった。ディフェンスで自分たちのリズムを整えた川崎は、前半では決まらなかったオフェンスでのセットプレーも次々と決まるようになり、残り約7分でヒースがフリースロー2本を決めてリードを20点に広げて、そのまま勝利した。
「オフェンスの終わり方を修正できれば違った展開になった」
横浜は敗れたものの、第3クォーターの中盤までは拮抗した試合を展開した。青木勇人ヘッドコーチは「ハーフタイムまではディフェンスで上手くついていけましたが、第3クォーターの途中から両エンドの終わり方に課題が出ました」と振り返った。
「特にオフェンスの終わり方を修正できれば違った展開になったと思います。ボールがサイドで止まった状態が続いてしまったのが、もったいなかったです」
そして青木コーチが「ターンオーバーからの失点が一番悔しいです。気をつけてはいましたが、一回歯車が崩れた時に、そこを止めることができませんでした」と語ったように、横浜は17本のターンオーバーを犯し、そこから32得点も川崎に与えた。
今日の第2戦もお互いに強度の高いディフェンスを相手にぶつける展開になるはず。その上で、どちらが先に主導権を握るのか注目だ。