北卓也ヘッドコーチ「思い切ってプレーしてほしい」
全国各地で行われるプレシーズン大会のアーリーカップ。代表選手たちはワールドカップ2次予選の合宿優先で欠場となっており、ベストメンバーからは大きく離れた状態で臨まざるを得ないチームも複数ある。その筆頭格が川崎ブレイブサンダースだ。
先日発表されたWindow4の予備登録メンバーには篠山竜青、辻直人、ニック・ファジーカス、鎌田裕也と4人が選出された。よって、アーリーカップには場合によっては7名で臨み、最低でも2日間で2試合、今日のサンロッカーズ渋谷戦に勝つと3日間で3試合をこなさなければならない。
最終的に何名でアーリーカップを戦うことになるのかは、試合当日にならないと分からないが、これまでプレータイムが少なかった若手に多くのチャンスが与えられることは確かだ。北卓也ヘッドコーチは言う。「試合には必ず出ますので、いろいろな経験をしてほしい。うまくいかないこともあって悩むでしょうが、とにかく失敗してもいいから特にルーキーの2人(青木保憲、林翔太郎)には思い切ってプレーほしいです」
もっとも、優勝を義務付けられた川崎だけに、プロとしての厳しい現実的な視点も強調される。「勘違いしてほしくないのは、今は代表メンバーがいないから確実にプレーできるということ。常にアピールしてくれないと、代表が戻って来たら試合には出られません。まだプレシーズンだとは思わないでほしい。一日一日が勝負だから、しっかりアピールするよう話しています」
チームによっては外国籍選手も含めたフルメンバーでの練習をすでに数週間やっているチームもある。しかし、川崎は代表メンバーがずっと不在で、外国籍選手の合流も遅かったため、常に7人前後での練習を続けてきた。それでも、この状況自体は川崎にとっては慣れたもの。より密度の濃い練習をするため、拠点が近いアースフレンズ東京Zとの合同練習など工夫している。
「アースフレンズさんと話をして5対5をやれるようにしています。近くにチームがいて、一緒に練習ができるのは僕らにとって助かっています。一昨年くらいから話し合って実施していますが、新しいヘッドコーチの古田(悟)さんとは昔から仲がいいので、より言いやすいです」
様々な制約がある中でのアーリーカップだが、「大会のテーマは?」との問いに北は「今やっていることをどれだけ出せるのか。今のメンバーでどこまでできるのか。新外国人選手が川崎のバスケにどこまでマッチできるかを確認したいです」と語る。そして「プレシーズンとは言え、ゲームとなれば選手は真剣になります。だからこそ若手に対しては、一つの目安になります。こういう場面で使いそうだとか、ある程度のところは把握できると思います」と続ける。
プレシーズンとはいえ、実績のない若手にとっては出場機会を得るための貴重なアピールの場。チームに新たな活力を与える若手の台頭を期待して、川崎はアーリーカップに挑む。